2016/06/15
たっちょん
ご飯に欠かせない漬物。日本には多くの種類の漬物があります。種類が豊富なのは、地域ごとに独特の味を受け継ぎ、その漬物を育ててきたからです。漬物にはその地方の風土や気候、特徴が反映されています。漬物の種類、秘密を知ることでさらに美味しく漬物をいただきましょう。
漬物は、食材を食塩、酢、酒粕などの漬け込み材料とともに漬け込み、保存性を高め、熟成させ、風味を良くした食品です。多収穫時の防腐や貯蔵、凶作時などに対する備蓄を目的として発達してきました。漬物は昔から日本の食卓に欠かせない定番の食品です。
「漬物」と聞くと、白菜漬けやたくあんなど、野菜の漬物をイメージすることが多いでしょうが、牛肉の味噌漬けや魚の粕漬け、すしも本来は魚や鳥獣肉の漬物であり、塩辛も漬物の一種です。しかし、現代では「漬物」は基本的に野菜の漬物をさしています。
漬物は、生の野菜以上に効率よく栄養を摂る事ができる優れた食品です。漬けることで野菜の水分が抜け、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルがぎゅっと凝縮されます。低カロリーで、食物繊維やミネラルが豊富な漬物を食べることは健康と美容に効果があるとされています。日本人の食生活と、健康な毎日を漬物は支えているのです。
漬物は日本だけのものではなく、世界中に様々な種類のものがあります。ピクルス、ザワークラウト、キムチなどは日本でも人気の高い漬物です。
香辛料を加えた漬け酢に野菜などを漬けたもの。アメリカやイギリスでは、きゅうり、カリフラワー、人参、大根、玉ねぎなどの野菜で作られるのが一般的です。日本では、ハンバーガーには欠かせないきゅうりのピクルスが有名です。
日本でもすでに定番のご飯の友になりつつあるキムチは韓国の漬物です。塩漬けした大根、白菜、きゅうりなどを唐辛子、ニンニク、塩辛などをまぜた薬味で漬け込んだものです。
中国の代表的な漬物がザーサイ。高菜に似た、からし菜の軸にできる瘤(こぶ)の部分を塩漬にして唐辛子をきかせたものです。日本でも知名度が高くスーパーなどでも手に入りやすい食品です。
ドイツのキャベツの漬物がザワークラウトです。訳すと「酸っぱいキャベツ」という意味で、塩漬けしたキャベツを乳酸発酵させた漬物です。冬の寒さが厳しいドイツでは、冬の栄養源として重宝されていて、ドイツの定番料理でもあります。
日本全国、それぞれの地域に古くから愛され、育てられてきた漬物があります。漬け方の種類も、漬ける食材の種類も様々ですが、どれも愛すべき日本の文化です。いくつか種類をご紹介します。
白菜や野沢菜の塩漬けが有名。主に葉菜類を漬けますが、「梅干し」や「しば漬け」も塩漬けです。
米ぬかを乳酸菌発酵させて作ったぬか床の中に野菜などを漬けこんで作る、日本を代表する漬物の一つです。大根、ナス、きゅうり、カブ、ショウガ、ニンジンなどを漬けることが多いです。
粕漬けとは、野菜、魚、肉類を酒粕や、みりん粕に漬けた漬物のことです。シロウリ、きゅうり、ナス、大根、カブ、未熟なスイカなどが良く漬けられる野菜です。奈良漬け、守口漬け、ワサビ漬けなどが代表的な粕漬けです。
一度塩漬けにしたものを調味した酢に漬けて酸味をつけたのが酢漬けです。らっきょう漬けや、干した大根を酢漬けにする「はりはり漬け」、ピクルスなどが酢漬けの代表的なものです。
塩漬けした野菜を、米麹を原料とした漬け床に漬け込んで作る漬物です。薄塩なので日持ちせず、他の漬物より甘味が強いのが特徴です。大根のべったら漬が有名です。
野菜などを塩漬けにした後に辛子、塩、麹などで漬けた刺激の強い漬物のことです。小ぶりの秋ナスを丸のまま漬けた、ナスのからし漬けが有名です。
調味した醤油に、下漬けや生干しをした材料を漬け込んで作る漬物です。福神漬けや松前漬けなどが有名です。
漬物は昔から各家庭で作られ、毎日の食卓を支えてきたものです。現在では漬物はお店で買うものへと変化してきましたが、家庭でも簡単にできる漬物はあります。
材料
きゅうり 3本
<調味液>
水 200cc
砂糖 大さじ1.5
酢 大さじ1
粗塩 小さじ2
昆布 3cm
赤唐辛子 1本
調味液の材料を混ぜ、漬け込む容器に入れる。きゅうりをよく洗い、両端を切ってから漬け込む。半日から一日ほど冷蔵庫で漬け込めば完成です。
食材と塩だけで手軽に漬物が楽しめます。時間もかからず、道具も特にそろえる必要もなく、失敗も少ないのでおすすめです。
材料(4人分)
キャベツ 5~6枚(400g)
塩 小さじ1
酢 1/2カップ
砂糖 大さじ2
酢と砂糖を合わせ、よく混ぜる。 キャベツは一口大に切り、ボウルに入れて塩をまぶし30分ほどおいておきます。
キャベツがしんなりしてきたら水気を絞りポリ袋に入れます。砂糖を溶かした酢を加えて冷蔵庫でよく冷やして味をなじませたら完成です。
塩もみしてから漬け込むだけの酢漬けは手軽に楽しめる漬物です。人参の千切りを加えたら彩りもよくなります。
海外にも多くの種類の漬物がありますが、日本の漬物の種類の豊富さは驚くほどです。それそれ味わいは違いますが、ほっとする美味しさは共通です。各地自慢の漬物を楽しむのもいいですが、手作りも楽しんではいかがでしょうか。
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