2016/01/22
Kerokeropone
京都は昔から歴史や伝統を重んじ、独自のはんなりした文化が生まれ、郷土料理もそれと共に発展してきました。高級料理だけではなく、京都の庶民の味とはどんなものがあるでしょう?今回は一般的な、京都の郷土料理を詳しく紹介していきます!
平安京以来、宮中や公家社会の影響を受けた京都の京料理や郷土料理ですが、頂き物を一度、神仏に供えてから家の者が食べるという風習も京都の郷土料理の作法の影響だと言われています。各地から運ばれてきた後、京都盆地の気候・土壌に合い、根付いた独特の京野菜や、日本海の新鮮な魚介類など食材も豊富で祇園豆腐、ハモ料理など、歴史と四季を感じる食文化は人気が高いものですが、郷土料理もまたおししいものばかりです。
では、庶民に特に親しまれてきた郷土料理には何があるのかを見ていきましょう!
京都の長岡京市の特産物の「ナス」、「かぼちゃ」と「小豆」を醤油と味噌で味付けした「汁もの」です。同市内の浄土谷と言う集落に伝わる8月13日の夜おしょらいさん(精霊)に供えるために作る郷土料理です。簡単で栄養価が高く、学校給食でもとり入れられる程地域に根付いた郷土料理です。
「いとこ汁」の名前は、材料をかぼちゃ、なす、小豆の順に「追い追い」に入れていくことから、「甥、甥」で従兄弟(いとこ)となることから由来しています。郷土料理ならではのネーミングですね!
宮家に仕えた初代平野権太夫が、九州行幸のお供の折に唐芋(とうのいも)という芋を持ち帰り、京都の土に根付いたのが海老芋の始まりですが、それを北海道産の棒鱈と炊き合わせたところ、とても相性がよく、京都名物「いもぼう」(登録商標)として一躍有名になった郷土料理です。
いもぼうは、日本料理店や京料理店でも定番と言える組み合わせで、郷土料理としてだけではなく、京都料理の基礎ともいえる有名なものの一つです!
京都らしい優しい味の郷土料理のうずみ豆腐。「うずみ」とは、「うずもれる」・「うずまる」という意味で、ご飯で豆腐全体を覆ってしまい、豆腐がご飯の中に埋もれている状態になるため、この名がつきました。炊きたてのご飯を使ってもよいし、蒸した餅米を使ったり、白粥を使ってもおいしいです。
京都には、蒸し寿司、押し寿司など、特徴的なすしが多くありますが、京寿司の代表となると、鯖の棒寿司といえるでしょう。周囲を山に囲まれ、新鮮な魚介類が手に入りにくいという地理的制約の中で、昔の人は独特の調理技術を育て上げ、このような郷土料理が生まれました。
若狭湾で取れた鯖に塩をあて、京都まで十八里(約72km)の道を天秤棒を担ぎ、到着した頃には適度の締め加減になるように工夫し、一昼夜かけて運んできたのです。京都の人々はこの鯖を買い求め、棒寿司を作り、祝い事や祭礼に近隣に配りました。
「へしこ」は、京都の丹後特産の水産加工品の郷土料理です。「さば」や「いわし」などの魚を米糠と塩で、長期間漬け込み熟成させたものです。糠の旨味と塩気が絶妙で、お茶漬けや温かいご飯にのせて食べるのが、一般的ですが、ちょっと工夫すればいろいろな料理に使え、たいへんおいしくいただけます。
蕪(かぶ)を薄く切って昆布、唐辛子とともに酢漬けにした京都の伝統的な郷土料理の漬物です。通常、京野菜の聖護院蕪を使います。冬の風物詩ともいえ、テレビなどで作る様子が放送されるときせつを感じますよね!
京都では、日常のお菜(おかず)のことをおばんざいといいます。これは宮中の有職(ゆうそく)料理、寺院の精進料理、茶の湯の懐石料理が混ざり合い、江戸時代中期頃から庶民に広まって郷土料理となりました。
京都の日常の暮しから考案された、様々な味が現在に伝えられ、特徴は、野菜自体に旨みある京野菜を豊富に使用していることと、野菜と塩サバ、身欠きニシンなどの塩蔵物・干物とを巧みに組み合わせ、食材の色彩と持ち味を十分に生かしている事などがあげられ、まさに郷土料理とよべます。
京都の郷土料理をいくつか紹介していきましたがいかがでしたでしょうか?京都らしさは郷土料理にも活かされていて、おしとやかな雰囲気が感じられますよね!皆さんも京都を訪れた際には、郷土料理も少し覗いてみてくださいね♪
この記事に関する記事
キーワードから記事を探す
Copyright© 運営事務局