世界中の炊き込みご飯を参考に♪炊き込みご飯の味付け大百科
日本の中でもさまざまな味付けで楽しまれている炊き込みご飯は、世界各地にもご当地の郷土色あふれる味付けのものがあります。日本のいろんな炊き込みご飯とあわせて、日本では思いもよらない味付けや具材の世界の世界の炊き込みご飯を紹介します。
調味料を一緒に炊き込むことで味付けされているものが炊き込みご飯
全体に味付けされているご飯をなんとなく「炊き込みご飯」と呼びがちですが、炊き込みご飯とはその名前の通り、米と具材・調味料を一緒に炊くことで味付けをする料理のことです。白米にあとで調味料や具材を混ぜ込む混ぜご飯と違い、ご飯の中まで味が入るのが特徴です。
ちなみに「おこわ」はもち米を蒸したもの(味付けをされていなくても呼ばれます)のこと、おこわを蒸すときに笹などの葉でつつんで蒸すと「ちまき」に分類されるようです。このまとめでは味付けされているおこわも一緒にご紹介しています。
岩手・味ぶかし
端午の節句に食べられているご当地炊き込みご飯です。旬の食材をたくさん入れるのが特徴で優しい味付けに筍や牛蒡・油揚げなどがいいアクセントになります。「ふかし」は蒸すという意味で、炊き込みご飯というよりおこわですが、近隣にも似ている郷土料理があります。
東京・深川めし
東京の炊き込みご飯の代表、深川めしはあさりの煮汁が味付けの決め手です。身と一緒に煮汁でご飯を炊き込むことによって、たんなるまぜご飯ではできない深みのある味付けを味わえます。
沖縄・ジューシー
沖縄の炊き込みご飯は「ジューシー」という名前です。基本の味付けは和食のものがベースですが、一緒に炊き込む豚肉と昆布から旨味がでてジューシーならではのおいしさです。
旧盆初日に必ず食べる料理だそうです。
愛媛・みかんご飯
なんと愛媛では給食でみかんの味付けの炊き込みご飯がでるそうです。シンプルな味付けではなんと調味料はみかん果汁と塩のみ!いったいどんな味付けなのかと思いますが、みかんのまろやかな甘みと酸味がなかなかおいしいとのことです。
素材との相性を楽しむシンプル系
四季を楽しむ日本では季節の素材の炊き込みご飯も親しまれています。多くは素材を味わうために塩と出汁のシンプルな味付けで仕上げられることが多いです。豆・筍・栗・鯛など一緒に炊き込むことで素材の風味がご飯にうつり、難しい味付けなしでも季節を感じられるおいしい炊き込みご飯になります。
タイ:カオマンガイ
タイの炊き込みご飯カオマンガイは、味付け・具材・付け合わせのスープにいたるまで鶏を使い尽くされている鶏を味わう炊き込みご飯と言えるでしょう。鶏のだし汁で味付けされたご飯にコクのあるタレやパクチーを一緒に食べると一気にタイらしい味付けになります。
インド:ビリヤニ
世界3大炊き込みご飯に数えられるビリヤニは、まずカレーもしくは漬け込んだ肉を用意し、それと一緒に米を炊き込む少し手間のかかった炊き込みご飯です。インドらしいスパイスと旨味の詰まった味付けのカレーがご飯にしっかり入り込み、バスマティライスの香りとともに複雑な味付けを作り上げます。
イラン:ポロ
イランも米を主食に食べる国で、「ポロ」は炊き込みご飯全体をさす料理名です。フルーツを炊き込んだりもします。鶏で味付けして炊き込んだご飯にも酸味のある実を混ぜ込むことが多く、中東の特有の味付けの炊き込みご飯です。
ベトナム:コム・タイ・カム
土鍋ご飯「コム・タム・カイ」は、土鍋で炊いたものではなく熱した土鍋に味付けされたご飯を入れたものが一般的です。炊き込みご飯ならベトナムらしくヌクマムが入る少し甘めの味付けが多く、土鍋でできたおこげもまたおいしさの秘密です。
スペイン:パエリア
言わずと知れたスペインの炊き込みご飯、パエリア(パエーリャ・パエージャとも)は、海の幸に恵まれたスペインらしく魚介メインのものが多く、味付けにパプリカパウダーやサフランが入るのも特徴です。
イタリア:ティエッラ
ティエッラとはオーブン皿の名前で、転じてそれを使った料理をさすそうです。野菜をしいたティエッラに米をのせ、ジャガイモでふたをしてオーブンで炊き上げます。野菜にはさまれているので旨味がしっかりと米に入り込んで特別な味付けがされなくても滋味ぶかい味わいが楽しめます。ムール貝を使うのが主流です。
ペルー:アロス・コン・パト
ペルーのこちらのアヒル(もしくは鴨)の肉料理ですが必ずパクチーやスパイス、野菜と一緒に炊き込まれたご飯がそえられます。パクチーのさわやかな香りが特徴的!「パト」はアヒルの意味で「ポヨ」だと鶏が使われます。
和食として炊き込みご飯になじんでいた私たちとしては世界の炊き込みご飯の味付けは興味深いものばかりです。和食として作ろうとすると和風だしと醤油の味付けに偏りがちですが、世界の炊き込みご飯の味付けを参考に、もっと自由に味付けをしてもおもしろくなりそうです。
肉、魚介、野菜、果物…世界の炊き込みご飯を見てみるとあらゆる食材と合わせられていることがわかります。みたことのない組み合わせでも味付けのバランス次第でおいしい炊き込みごはんに出会えるかもしれません。