2016/01/22
Kerokeropone
2016/06/03 更新
アレルギーの種類は数えきれないほどあり、アレルギー症状で悩んでいる方は沢山います。そのの中でも、今回注目したいのは「大豆アレルギー」。これは大人でもある日突然アレルギー症状が出る場合があり、怖いものなんです。ここでは大豆アレルギーの症状や危険性をご紹介します。
日本人には欠かせない食品である「大豆」。ですが昔、大豆は卵・牛乳と並んで湿疹を誘発しやすい「3大アレルゲン」と言われていました。しかし、研究が進む中で本当の大豆アレルギーと言うのは少ないことが解ったのです。かつては、脂料理やスナック菓子を沢山食べた人が湿疹になり悪化することから、大豆油にアレルゲン性が強いとされていました。
ですが、その主な原因はリノール酸の過剰反応や酸化した油の摂取による湿疹と考えられ、本当のアレルギー反応ではないと証明されました。
これは、菜種油やコーン油などの食用油に共通する誤解であり、問題なのです。
大豆のアレルギー原因物質を詳細に調査した結果、大豆の中には16種類のアレルギー原因物質(アレルゲン)が発見されています。その中でも特に主要な原因物質に、分子量約3万のたんぱく質が特定されています。このたんぱく質が、大豆アレルギーの原因であると考えられているのです。
ところが、ここで興味深いことが起きています。
大豆から作った発酵食品である味噌・醤油・納豆などからはアレルゲンたんぱく質は発見されていないのです!味噌の場合は醗酵約1か月でアレルゲンは分解され、納豆は納豆菌と接触後24時間で消えてしまうのです。その他、きな粉のアレルゲン量は生大豆の4分の1に減少、豆腐では11%程度に減少していることが判明しました。
ですが、食物アレルギーは様々な免疫機能が関与しており単純なメカニズムでは説明できません。アレルギーの原因であるアレルゲン物質は殆どの場合、たんぱく質です。ですが、胆汁酸や不飽和脂肪酸などの脂肪関連物質や脂肪過酸化物もアレルギーを促進させてしまうのではないかと見られています。
大豆アレルギーには大きく分けると2つに分類できます。
発症経路は、食物として口に入れ飲食して、腸で吸収されることで発症します。主に「大豆・黒豆・枝豆・またこれらの加工品、大豆由来の乳化剤を使った菓子類」でアレルギー症状が出ると言われています。
これは食物を口に入れ、粘膜に触れたとこで発症します。
主に、「豆乳」や他には大豆ではありませんが、「りんご、モモ、さくらんぼ、ビワ」などで起こることがあります。液状の物のほうが発症しやすい傾向にあります。
重篤なアレルギー症状としてアナフィラキシーショックがあります。
アレルギーとなる食品を食べて数分から数十分で全身に蕁麻疹が出たり、呼吸器症状が現れます。また、顔面浮腫や血圧低下、意識低下があり、放っておくと最悪の場合死に至ります。大豆アレルギーの場合には、重篤な症状にはなりにくいと言われており、アナフィラキシーショックが起こった事例も稀です。ですが、強いアレルギーを持った人や大量に摂取した場合には引き起こされる場合もあります。
どんなアレルギーであっても皮膚のかぶれはとても起こりやすいものです。
大豆アレルギーでも、かゆみを伴う蕁麻疹や発疹、広範囲に皮膚が赤くなる紅斑、と言った症状が出ることがあります。かゆみの強さは個人差がありますが、我慢できないほどのかゆみに襲われる人や、それほど気にならない程度の方もいます。大抵1日~2日で収まることが多いですが、同じような症状を繰り返していると治りが遅くなることがあるので要注意です。
消化器官が弱い方や、赤ん坊、子供などはアレルギー物質を消化吸収することができず、下痢や嘔吐として吐き出そうとします。
大豆を摂取後すぐに下痢・嘔吐といった症状がある場合と、ある程度の時間が経ってから嘔吐や下痢として現れる場合があります。時間が経ってから症状が出る場合には、アレルゲンは排出・消化されていることが多く、なかなか判別がつかないので特定が難しいです。乳幼児は特に消化器官の機能が弱いので、嘔吐や下痢を繰り返すと脱水症状やショック症状を起こす可能性もある危険な症状です。
大豆を飲食、または口に含んだだけで、口周辺の腫れや、湿疹、顔の腫れといった、口腔内の違和感を感じる症状があります。ですがこの症状の場合は、大豆アレルギーと言うよりも食物アレルギーである可能性が高いため、一度病院で詳しいアレルギー検査をしたほうが良いでしょう。
アレルギー検査には種類があり、血液検査や皮膚にアレルゲンを垂らして反応を見る皮膚テスト
さらに、食物除去試験や食物経口負荷試験などがあります。皮膚的症状が出た場合には皮膚科に、呼吸器関連の症状が出たら内科、又は呼吸器科などの専門科を受診しましょう。ただ、口腔アレルギーの症状が出た場合には大豆アレルギーだけではない可能性が高いのでできたらアレルギーを専門に取り扱う科に行きましょう。
赤ん坊や2~3歳までに発症した大豆アレルギーは、約80%が治ると言われています。
ですが大きくなっても大豆アレルギーがある場合は専門医に行くことをお勧めします。また、大豆アレルギーは大人になってから突然発症することもあり、大人になってからの発症は治りにくく長く付き合っていく事もあります。アレルギー症状は甘く見ると怖いですから、違和感を感じるようでしたらぜひ一度専門医に相談することを強くお勧めします。
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