ホントのところはどうなの?魅惑のプルプル☆ゼラチンアレルギーの話
2016/04/18
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なすは油との相性が良く、揚げ物や炒め物にするとホントに美味しいですよね。実はこのなすがアレルギー反応の原因物質になることがあります。食物アレルギー中でも、なすのアレルギー発症までには2通りのパターンがあるので、特に注意が必要な食物なんです。
なすの特徴は濃い紫色
インド原産のなすは中国を経由して日本に入り、主に夏から秋にかけて収穫される野菜です。その種類丸なす、米なす、長なす、小なす等様々ありますが、すべて濃い紫色の色素が特徴です。
なすに含まれるナスニンは、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があるとされています。また血栓の予防や目の疲労改善効果があるなど、身体に有効成分が含まれる魅力的な野菜ですが、実はこのなすでもアレルギー反応が生じることがあるんです!
特定の食物摂取後の異常
卵や牛乳、甲殻類、ピーナッツ、そばなど人によって原因食物は異なりますが、ある特定の食物を摂取した後に体に不調をきたすことを食物アレルギーといいます。
食物アレルギーには摂取直後~4時間以内に症状が発現する「即時型」と、摂取後翌日以降に症状が現れる「遅延型」があります。即時型であれば、直前に食べたものに原因物質が含まれているため該当食物の特定が容易ですが、遅延型の場合は原因食物の特定が難しいので症状改善までに時間がかかることが多いようです。
食物アレルギーは原因物質もその症状も人それぞれ異なります。同じような症状が出ていたとしても、その程度に差があるので対処には注意が必要です。
なすを食べた後に体調が悪化するのであれば、それが「なすアレルギー」です。
シラカバ花粉アレルギーと口腔アレルギー症候群
シラカバ花粉に対するアレルギーがある人の50%が口腔アレルギー症候群を発症しているという研究結果があります。
シラカバ花粉アレルギーを起こすシラカバ花粉のたんぱく質が食物のたんぱく質に類似しているため、食物を摂取した際に身体の免疫が過剰反応しているものと考えられています。なすもこのシラカバ花粉と類似したたんぱく質構造を持つため、シラカバ花粉アレルギー発症後になすアレルギーによって口腔アレルギー症候群を発症する方が多いようです。
なすアレルギーの人はシラカバ花粉とたんぱく質構造がにているなす以外の食物でもアレルギー反応が出る可能性があるので注意してくださいね。
≪シラカバ花粉とたんぱく質構造が似ている食物≫
・果物
リンゴ・ナシ・モモ・サクランボ・メロン・キウイなど
・野菜
なす・セロリ・ニンジン・ジャガイモ・キュウリ・トマトなど
・ナッツ類
ヘーゼルナッツ・アーモンド・クルミ・ピーナッツなど
食物には天然の状態でも様々な化学物質が含まれており、なすにはアセチルコリン、チラミン、ヒスタミンが含まれています。
食物中に含まれる成分は、体内で様々な反応を起こしますがそれは正常な事です。例えば、カフェインは集中力を高め、ヒスタミンは体内の異物を排除する働きがあることはよく知られています。
しかし、アレルギー体質の人にはその化学物質で強い悪影響が及ぶことがあります。、「仮性アレルゲン」とよばれる悪影響を及ぼす可能性のある化学物質がなすに含まれており、これにより深刻なアレルギー症状が発現することがあるんです。
花粉由来のなすアレルギー症状
花粉由来のなすアレルギーの場合、症状は口腔アレルギー症候群と呼ばれるものが一般的です。口回りやのどの痒みや腫れ、湿疹などが主な症状です。他にも咳や嘔吐・下痢、命にかかわるアナフィラキシーショックが起こることもあるので、十分注意が必要です!
≪即時型と遅延型の症状≫
即時型
・皮膚症状(蕁麻疹・痒み・皮膚の赤み・むくみなど)
・呼吸器症状(咳・喘鳴・呼吸困難など)
・消化器症状(腹痛・悪心・嘔吐・下痢など)
・粘膜症状(粘膜部の腫れ、痒みなど)
・全身症状(アナフィラキシー・血圧低下など)
遅延型
・皮膚症状(湿疹の悪化・痒み・肌荒れ・多汗など)
・呼吸器症状(喘鳴・副鼻腔炎・鼻づまりなど)
・消化器症状(腹痛・腹部膨満感・下痢・消化不良など)
・粘膜症状(粘膜部の腫れ、痒みなど)
・全身症状(アナフィラキシー・慢性疲労・倦怠感など).
仮性アレルゲンによる症状
仮性アレルゲンにより、口腔アレルギー症候群の症状が増悪させたり、花粉由来のアレルギー症状と同じような症状がでることもあります。
≪症状≫
・消化器症状(悪心・嘔吐など)
・循環器症状(高血圧・動悸など)
・全身症状(異常な発汗・自律神経失調に類似する症状など)
花粉症由来・仮性アレルゲン、いずれのアレルギー症状でも、長期間放置すると深刻な事態生じる恐れがあるので、早めに対処することが必要です。
最も簡単なアレルギー対処方法は食事からなすを取り除くことです。
野菜の代表格なすは濃い紫色が料理をしても薄れないので比較的避けやすい食材です。
しかし、なすのはさみ揚げや炒め物、揚げ物など主菜に活用されることも多いので、外食時にはアレルギー症状がでる食物として伝えておくと安心ですね。
食物アレルギーの原因食物が明らかであれば対処は容易ですが、日々多くの食材を摂取している私たちには自分で原因を探るのはなかなか難しいですよね。医療機関では血液検査によってアレルギー症状の検査ができ、その結果によってどの程度食事から成分を除去すればよいのかを指導を受けることもできます。
特に深刻な症状が発現している場合には、医師が見守る中で少量の食物摂取をしたうえで経過観察をする負荷検査を実施することで、より詳しく原因と対処方法が確認できます。
ショートパスタの茄子炒め
なすというと濃い紫色のイメージがありますが、油断するとこんな料理も。丁寧に皮をむいた料理は食べやすく、野菜嫌いのお子さんにぴったりですが、紫色素が見当たらないとズッキーニなどと間違って食べてしまうこともありそうですね。
ミートソース
なすの甘みを活かしたミートソース。細切りにしたナスを炒めて旨みをだした美味しい料理ですが、なすアレルギーには向かない料理。もちろんなすを入れずに作ることもあるので、すべてのミートソースがNGな訳ではありません。なすはアレルギー表示義務のある食品ではないので、食べる前に一言確認しておくと安心ですね。
食物アレルギーであっても生命維持のための食事は必要不可欠です。毎日の食事にドキドキすると食事は美味しくありませんね。早めに医師の診断を受けて摂取できる食物を確認し、安心して食事を楽しみたいものですね。
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