コレステロールが高いと言われている人!毎日の食品で下げる工夫を。
2016/02/10
akiko28
2016/02/15 更新
健康診断でコレステロールが高いと言われた事はありますか?実はコレステロールにはLDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類ありますが、その違いをご存知ですか?ここではコレステロールが高い!と言われた人のために、コレステロールについてご説明します。
よく耳にする言葉として、「卵はコレステロールが高いから食べられない!」なんて言葉がありますが、実はコレステロールも中性脂肪と同じく、体内に存在するあぶら(脂質)の一種で、体にとって重要な役割があるんです。では、コレステロールの役割とは何でしょうか?
コレステロールは、細胞膜の材料になります。私たちの体は約60兆個もの細胞によって作られています。コレステロールはその細胞の膜を構成する大事な成分になります。また、ホルモン(副腎皮質ホルモン、性ホルモン)の材料にもなります。副腎皮質ホルモンがストレスを受けたとき、水分の調整が必要なときに分泌されるホルモンです。そのほか、胆汁酸(消化液)の材料にもなります。胆汁酸は脂肪の消化吸収を助ける働きをします。 ではなぜコレステロール値が高いとダメなのでしょう?
私たちの体には必要不可欠なコレステロール。この数値が高いとどうなるのでしょうか?まず、コレステロール値が高いと、血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因となります。その他にもコレステロール値が高いと、肝臓が処理しきれずに、肝臓から排出される際に結晶化してしまい、胆のうや胆管で結石となり、胆石症となる場合もあります。
ですが一言で「コレステロール値が高い」と言っても、実はコレステロールには2種類あるのです。LDLコレステロールとHDLコレステロールとがあります。このうち、悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値が高い場合に、病気になるリスクが高まるのです。逆に、善玉と呼ばれるHDLコレステロール値が高い場合には、長生きしやすいとも言われているのです。
では、LDLコレステロールとHDLコレステロールは、何が違うのでしょう?血液中のコレステロールは、たんぱく質と複合体を形成してリポタンパクとして存在しています。リポタンパクは、比重の重さによって(HDL、高比重リポタンパク)、(LDL、低比重リポタンパク)、(VLDL、超低比重リポタンパク)、(カイロミクロン、乳び脂球)の、4種類に分けられます。その中でコレステロールを主に運んでいるのがHDLとLDLで、HDLに運ばれているコレステロールをHDLコレステロール、LDLに運ばれているコレステロールをLDLコレステロールと呼んでいます。
ちなみに2つのリポタンパクはまったく逆の働きをしており、HDLが体の隅々の血管壁にたまったコレステロールを抜き取って肝臓に運ぶのに対して、LDLは肝臓のコレステロールを体の隅々に運んでいます。LDLコレステロール値が高くなると、体の隅々に運ばれるコレステロールが増えて動脈硬化を促進する方向に傾くため、LDLは「悪玉コレステロール」と呼ばれています。逆にHDLコレステロールは、体の隅々の余分なコレステロールを肝臓に運び、動脈硬化の防止につながるため「善玉コレステロール」と呼ばれています。
LDLコレステロール値が高いと、動脈硬化や高血圧、心肥大、心不全などの心疾患、さらには心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。また血管が破れると、クモ膜下出血など脳出血の危険もありますので、注意が必要です。
LDLコレステロール値が高い原因は、さまざまな原因があります。では、LDLコレステロール値が高いと言われる人に共通することは何でしょうか?
一般的にコレステロールを多く含む食べ物の摂り過ぎが原因で、LDLコレステロール値が高いと思われがちですが、実はそれだけではそんなにLDLコレステロール値は高くならないのです。コレステロールの70~80%は体内で合成されて作られていて、20~30%が食べ物からとなります。人間の体には食べ物から摂取するコレステロールの量が多かった場合、体内で合成されるコレステロール量を調整してコレステロールの増加を抑える働きがあります。しかし、食べすぎるとエネルギーの摂り過ぎになり、結果的にエネルギー源として使いきれず、余った分は体内でコレステロールに合成されるので、LDLコレステロール値が高くなる原因に繋がります。
LDLコレステロール値が高い人で肥満の人には、中性脂肪がたくさん溜まっています。中性脂肪が多いと、インスリンの働きが低下するなどして、中性脂肪がさらに増加するという悪循環を招きます。その結果、LDLコレステロール値が高い原因に繋がるのです。また同じ肥満でも、皮下脂肪型肥満に比べて、メタボリックシンドロームのもとになる内蔵脂肪型肥満のほうが、LDLコレステロール値も高い傾向にあります。
適量の飲酒は血液の循環を良くしてくれますし、ストレス解消になったり善玉のHDLコレステロールを増やす働きがあるといわれています。しかしアルコールをとりすぎると、中性脂肪も増え善玉のHDLコレステロールが減少して、LDLコレステロールが増加する原因にもなります。そのため、日常的にアルコールを飲み過ぎている人は、LDLコレステロール値が高い原因に繋がります。
最近ではストレスが病気に大きく影響していることが知られているように、実はコレステロールにも影響します。強いストレスがかかると交感神経が刺激され、副腎皮質ホルモンの分泌が活発になります。この副腎皮質ホルモンは、血液中の遊離脂肪酸の量を増やす働きがあり、最終的に血液中のLDLコレステロールを増やします。また副腎皮質ホルモンは血管を収縮させて血圧を上げる作用もあり、さらには血液を固まりやすくし、血栓ができるのを早めるとも言われています。つまりストレスはLDLコレステロール値を上げるだけでなく、動脈硬化の危険因子でもあるのです。
タバコは、まさに百害あって一利なしです。もちろんコレステロールにも悪影響を与えます。タバコに含まれるニコチンが中性脂肪の合成を促進させ、LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らします。タバコを吸う本数が増えれば増えるほど、LDLコレステロールは増え、HDLコレステロールは減るというデータもあります。
またタバコは、吸うだけで血圧を上昇させますから、すでに動脈硬化が進んでいる人は喫煙によって、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の発作の直接の引き金になるリスクが非常に高いと言われています。
親からの遺伝でLDLコレステロール値が高い場合があり、これを家族性高コレステロール血症と言います。家族性高コレステロール血症は、LDLコレステロール値が高くなりやすい遺伝子を両親もしくは父親・母親のどちらかから受け継いで発症してしまう病気で、体質的にLDLの処理機能に異常があるために起こります。家族性高コレステロール血症には2つのタイプがあり、異常な遺伝子を片方の親からだけ受けついだ場合をヘテロ型、両方から受けついだ場合をホモ型と呼んでいます。ヘテロ型は500人に1人、ホモ型は100万人に1人ぐらいの割合いとされてます。どちらのタイプも普通の人と同じ物を食べているのに、子供の時からすでに高いLDLコレステロール値を示すのです。
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