記事ID20592のサムネイル画像

え!?痛風発作が起こった!治るためにやるべき事と食事って?

突然、足の親指の付け根に、激痛が走ることから始まる「痛風発作」。突然のことなので、パニックに陥りがちですが、最近では食事療法と薬物療法で治らない病気ではなくなった痛風。正しい知識と対応で、美味しい食事とお酒だって飲めちゃうんですよ。しっかり治しちゃいましょう。

痛風ってどうしてなるの?

痛風の原因は体内で尿酸が過剰になることです。体内で尿酸が異常に増えた状態を高尿酸血症といいますが、痛風はこの高尿酸血症と深い関わりがあります。尿酸とは白色、無味、無臭の結晶で、通常尿などとともに体外に排泄されます。血液中の正常な尿酸値は7.0mg/dl以下とされています。

これは血液中に尿酸が7.0mg/dlまでしか溶ける事ができず、これを超えると尿酸が結晶化してしまうからです。痛風発作はこの結晶が体内で異物と判断され、白血球が集まってきて攻撃を始めます。白血球は結晶を食べる(貪食)ことで攻撃しますが、その際に白血球から炎症物質が放出され、それが腫れや激痛を伴う炎症を引き起こします。これが痛風の原因であり、痛風の代名詞ともいえる痛風発作となります。痛風は関節ならどこにでも起きますが、特に多いのが足の親指付け根や足首、かかとなどです。

痛風って風が吹いても痛いってホント?

痛風という言葉の由来、語源は 「風が吹いても痛い」というところから きている、と 一般的には考えられています。 ですが、これは本当はマチガイ。 っていうか、俗説です。 そうじゃないんです。 元来、“風”という言葉は東洋医学では「中枢神経の病気」ということを意味します。よって[全身に痛みがおこる病気]→すなわち「痛風」なんです。

でも、風が吹いても痛いから『痛風』。いやいや吹かなくても痛い。しかも「むちゃくちゃ痛い」。痛風発作は「骨の中から何かでえぐり出されるような痛さ」「足の指をペンチではさんで締め上げられるような痛さ」「傷口にキリを差し込まれ、キリキリもみたてられるような痛さ」「溶けた鉛を注ぎ込まれるような痛さ」だそうです。

痛風は食事で改善できる?

現在は尿酸の排泄を促進したり、尿酸の産生を抑制する薬が開発されたため、痛風治療は薬物療法が基本になっています。しかし、痛風治療は薬物療法を行っているからといって、食事療法をしなくてもよいわけではありません。逆に、食事療法を行っているからといって薬物療法をやめてもよいわけでもありません。現在行われている痛風の食事療法は、プリン体の過剰な摂取を控えることはもちろんのこと、尿酸をいかに体外に排出するか、合併症として起きやすい生活習慣病をいかに抑えるかが重要視されています。

食事のプリン体の厳格な摂取制限は必要?

尿酸の原料となるプリン体には、食事から摂取するものと、体内で合成されるものがあります。かつて痛風の患者さんはプリン体を含む食事を厳しく制限されていましたが、最近の研究で食事に含まれているプリン体のほとんどが腸管内で分解されてしまう事がわかってきました。つまり食事から摂るプリン体より、体内で合成されるプリン体のほうがはるかに多く、食事から摂るプリン体が全体の2~3割、体内合成されるプリン体が全体の7~8割となっています。

また、痛風だからと言って、実際に食事からのプリン体を制限しても、血中の尿酸値は1.0mg/dl程度しか低下しない事も明らかになっています。さらに尿酸代謝の研究が進み、尿酸コントロールする薬剤が開発された事も、痛風患者さんの食事によるプリン体制限が緩和された原因のひとつです。かといっても、食事からのプリン体摂取は1日400mgまでが目安です。

食事で気をつけるべき食品のプリン体量

日常の食事ではそれほど気にする必要はありませんが、プリン体を多く含むレバーなどの内臓類を食事としてたくさん食べ続けるのは避けるべきです。食事はもちろんおつまみとしても食べたい、珍味や干物もプリン体を多く含んでいるので、食べ過ぎには注意が必要です。100g当たり200mg以上のプリン体を含む食品にどのようなものがあるのかを把握し、あまり高プリン体の食事を食べないよう注意が必要です。食事に含まれるプリン体量を把握し、食事からのプリン体摂取は1日400mgを超えないようにしましょう。

痛風になるとお酒はもう飲めないの?

高尿酸血症・痛風の食事治療では、プリン体の多い食事を避けるよう指導されますが、アルコールのプリン体含有量も合わせて1日のプリン体摂取量を考えなければなりません。アルコール(お酒)に含まれるプリン体は醸造酒のビールや紹興酒に多く含まれ、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒には殆ど含まれていません。

休肝日(禁酒日):週に2回以上、1日当りの飲酒量(日本酒1合相当):ビール500mL、ウイスキーダブル1杯(60mL)程度。ワインは醸造酒の中ではプリン体の少ないお酒。プリン体含有量:0.4~0.6mg/100mL(ワイングラス1杯換算でおよそ1.0mg)日本酒やビールは酸性食品で、ワインはアルカリ性食品。「ワインを1日2杯まで飲む人では、月に1杯未満の人よりも痛風になるリスクが低い」との報告がある。しかし最近ではプリン体をカットしワインポリフェノール含む発泡酒なるビールや日本酒が販売されている。

まとめ

痛風に関する簡単な知識と食事に関する注意点についてまとめてみましたが、いかがでしたか?以前は痛風というと治りにくく、食事制限の厳しい病気というイメージだったようですが、最近では良いお薬が出来てきて、厳しい食事制限も必要なく、痛風は治りやすい病気に変わったようです。食事でのプリン体の過剰摂取や自己判断による薬物治療の中止などをしなければ、痛風は怖い病気ではなくなったようなので、正しい薬物治療、食事治療でキッチリと治してしまいましょう!

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ