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食物アレルギー原因の第三位~小麦アレルギーは大人も発症する!?

食物アレルギー原因の第三位は小麦です。乳幼児に多い印象のある小麦アレルギーですが、近年成人してから急に発症するケースも増えています。実は乳幼児と大人では小麦アレルギーの症状が違うようです。今日はその症状の違いと小麦アレルギーの対処方法を調べてみました。

小麦アレルギー

小麦アレルギーとは?

小麦に含まれるたんぱく質に対して、免疫が過剰反応している状態のことです。

小麦は、食物アレルギーの第3位に位置する重要なアレルゲンです。厚労省の研究班のデータでは約12%を占めています。

出典:http://senoopc.jp

鶏卵、牛乳に次ぐ第三位のアレルギー原因食物が小麦。決して少ない数ではありません。
アレルギー患者が増加している今、家族や友人にも小麦アレルギーの人がいてもおかしくません。

乳幼児の小麦アレルギー

乳幼児の小麦アレルギーは小麦に含まれる成分への耐性がないため、全身に悪影響が出現します。特に皮膚や呼吸器にアレルギー症状が現れる傾向がみられます。成長と共に食物を消化する働きや腸粘膜の機能が発達するため、6割が就学前にアレルギー症状が現れなくなるといわれています。

大人の小麦アレルギー

大人の小麦アレルギーは、経皮感作(けいひかんさ)により発症することが多いといわれています。
経皮感作とは、化粧品等に含まれる小麦のある成分を皮膚から吸収することです。小麦使用の石鹸の使用が原因で小麦アレルギーを発症したという報告もあります。
乳児の小麦アレルギーと違って、重篤化することが多く、時間の経過と共にアレルギー症状が現れなくなるという事は起こりにくいようです。

小麦花粉による花粉症

スギやヒノキが有名な花粉症ですが、イネ科の花粉もアレルギーの原因となります。
通常麦の収穫時期である6月に一番花粉が飛散しています。

イネ科花粉症

イネ科の花粉症も成人が発症する傾向があるようです。
通常の花粉症であれば、花粉の飛散時期のみ症状が出ますが、このイネ科の花粉症はそうはいきません。イネ科の花粉症を発症すると、花粉の飛散時期だけの症状ではなく、食物としての小麦にもアレルギー反応を併発するリスクが高まるため、とても深刻です。

小麦による口腔アレルギー症候群

食物アレルギーとして即時反応があるのは、口腔アレルギー症候群です。
口、喉、舌に赤みや発疹、痒みなどの症状が出現します。

口回りや口腔内に湿疹やかゆみがあったら口腔アレルギー症候群かも!?

口腔アレルギー症候群以外にも症状がでることがあります。
≪皮膚症状≫  赤み、発疹、蕁麻疹、かゆみ、腫れ、乾燥
≪消化器症状≫ 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
≪呼吸器症状≫ くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喘鳴

小麦依存性運動誘発性アナフィラキシー

小麦依存性運動誘発性アナフィラキシーとは?

原因植物を摂取して2時間以内に行った運動が引き金となって、アナフィラキシー症状が出現する病気のことです。

成人に多いアレルギー症状で、単に食事をとるだけならば問題ないのに、運動をすることによってアナフィラキシーが誘発されます。運動といっても激しいスポーツだけではありません。食事をした後に速足で移動するだけでも発症することがあるんです。

小麦アレルギーとの付き合い方

小麦アレルギーとの付き合い方

アレルギーの原因食物を正確に確認し、どの程度除去が必要かを確認しましょう。

現在では、アレルギー原因食物の除去は必要最低限にすることが基本になっています。アレルギーの症状の程度によりますが、完全に除去してしまうと栄養学的な面で体にはあまりよくないからです。
小麦は多くの料理で使用されているため、自己判断ではなく医師の指示を仰ぐことが賢明です。

小麦依存性運動誘発性アナフィラキシーとの付き合い方

1.原因食物摂取から2時間(可能なら4時間)運動は控える
2.原因食物を摂らなければ運動はかのうである(必ずしも運動を全面禁止にする必要はない)

出典:http://www.foodallergy.jp

「厚生労働科学研究班による食物アレルギーの診療の手引き2014」に記載されている現在のアレルギー診療のスタンダードです。

ここでも小麦の摂取と運動を全面禁止しているわけではありませんね。どの程度であれば身体に悪影響なく摂取できるか?運動までの時間をどれだけ開けるか?医師に相談しましょう。

小麦が含まれている製品

小麦の完全除去を指示されることが少ないといっても、何に小麦が入っているか知らなければ摂取量も減らせませんね。小麦が入っている食品をまとめてみました。

米粉パン

米粉パンは小麦アレルギーの代替食のように思えますが、そうではありません。
もちろん全く小麦を使わないで作ることもできますが、通常はパンの製造過程で小麦のグルテンを使っています。

麺類

ラーメン、パスタ、うどん。すべて小麦粉から麺を作っています。唯一の希望に思えるソバも、小麦粉不使用はソバ粉を100%使用した十割ソバのみ。二八ソバといわれるように2割の小麦粉と8割のそば粉で製造されていることが多いので、原材料表示に注意が必要です。

調味料

毎日何気なく使っている調味料にも小麦粉が使われている可能性があります。
カレーやシチュー、ホワイトソースには小麦粉が使用されています。また中意外なところでは中華用調味料にも小麦粉が含まれています。

ビール

意外と忘れがちな小麦製品がビールです。ビールの原料は麦(麦芽) ですから、アレルギーの原因となる成分を含んでいます。小麦アレルギーの原因と同じたんぱく質を含むため、大麦、ライ麦、はと麦を含む飲料も注意が必要です。

化粧品

小麦の成分を含む石鹸や化粧水も販売されています。肌からの吸収は影響しやすいので十分成分まで確認することが必要です。

まとめ

いかがでしたか?
大人の小麦アレルギーはある日突然発症するといわれています。発症数の多さからも決して他人ごとではありません。小麦アレルギーが疑われた時には、重症化しないように早めに受診したいですね。

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