似ているけど、ちょっと違う不思議なうな丼とうな重の細かい違い
2016/05/05
ryune
パンやパスタの洋食だけでなく、うどんやそばなどの和食にも欠かせない主原料である小麦粉ですが、その小麦粉に「薄力粉」と「強力粉」の違いがあるのをご存知ですか?強力粉と薄力粉での質の違いや、何を作るにはどちらが使われるのかなどをまとめてみました。
写真は岡山県岡山市の里山農場の小麦畑
11月から12月にかけて小麦は畑に種をまかれ、氷点下の凍った土で、辛抱強く、少しづつ成長していき、6月頃に収穫をします。
小麦粉は、その名の通り小麦を挽いて造られた穀粉です。7〜8割がデンプンですが、約1割はタンパク質で、そのタンパク質が水を含むと粘りのあるグルテンに変化し、それが小麦粉独特の粘りを生み、様々な小麦粉料理を形成します。
小麦粉は小麦粒の胚乳の部分を挽いたもので、小麦粒の果皮や胚芽の部分はふすまとして取り除かれます。それで大体もとの小麦の7割くらいの部分が真っ白な小麦粉になり、残りの部分を「ふすま」として取り除いてしまいますが、例えばパンに使用する場合、パンに風味を与えるために必ずしもふすま部分を完全に取り除いたものが良いとも限らず、素朴な味わい風味を出すために、小麦粒をふすまごと丸々挽いた全粒粉も用いられることがあります。
小麦や大麦は、今から1万年以上前からすでに、人間の大事な食料として栽培されていました。これを小麦粉にするようになったのが確認されたのは約五千年前にエジプトでパンを焼いていたことが研究によって証明されたので、その頃からではないかと言われています。ずいぶん昔から小麦粉はあったのですね。
もちろん五千年前は強力粉と薄力粉の違いはなかったと想像されます。
強力粉
薄力粉
スーパーを訪れて、小麦粉のコーナーには様々なメーカーの小麦粉が並んでいるのを目にすると思います。その中でも、小麦粉はよく見てみると、「強力粉」と書かれているものと「薄力粉」と書かれてるものの二種類を多く目にすると思います。果たしてこの二つの違いは?
強力粉、中力粉、薄力粉の違いはグルテンの量の違い
薄力粉、強力粉・・・実は中力粉や浮き粉といったもっと色々な種類に小麦粉は分類されるのですが、小麦粉のタンパク質であるグルテンの量の違いにより分類されます。グルテンが含まれる割合が多い(小麦粉全体の12%以上)ものが強力粉、少ない(8.5%以下)ものが薄力粉、その中間(9%前後)のものを中力粉と言います。
いろいろな薄力粉
薄力粉の強力粉との大きな違いは、グルテンの量が少ないことです。グルテンの量が全体の8.5%以下のものを指し、原料の小麦も違い、軟質小麦と呼ばれるものを多く使われて製造されています。水分を含んでも比較的柔らかくサラサラなので、ケーキや天ぷらの衣などに適しています。
薄力粉を使った食べ物:ホットケーキ
材料 (4枚分)
●小麦粉(薄力粉):100g
●ベーキングパウダー:4g
●砂糖:20g
卵:1個
牛乳:100cc
バニラエッセンス:2~3滴
バター・メープルシロップなど:お好みで
サラダ油:適量
ケーキやお菓子、天ぷらなど
色々な強力粉
薄力粉の項でも述べましたが、薄力粉と強力粉の違いは小麦粉全体に含まれるタンパク質であるグルテンの量の違いで、強力粉は12%以上グルテンが含まれています。特徴の違いは、むずを含むと粘りや弾力が強く出るので、パンや中華麺に適しています。原料も硬質小麦を使っています。
強力粉を使った食べ物:スコーン
材料 (8個分)
強力粉:250g
ホットケーキミックス:150g
砂糖:50~60g
ケーキ用マーガリン:100g
ティーパック:4個分(8g)
牛乳:150g
※生地の艶出し牛乳:適量
パン、餃子の皮、ピッツァなど
中力粉
中力粉は、強力粉と薄力粉の間で、9.5%くらいのグルテンを含むものを指します。主にうどんによく使われるほか、お好み焼き、たこ焼きなどに用いられます。中間質小麦と言われる
小麦を原料とした小麦粉で、性質の違いも薄力粉と強力粉の間くらいです。
中力粉を使った食べ物:ワッフル
材料 (8枚分)
中力粉:260g
ココア:10g
小麦胚芽(ローストタイプ)10g
てんさい糖(砂糖):大さじ3~
スキムミルク:大さじ2
粗塩:小さじ1/4
バター(食塩不使用):20g
牛乳:120g
ドライイースト:小さじ1
サラダ油(型ぬり用):少々
小麦の全部を小麦粉にした「全粒粉」や、グルテンの含有量がもっともっと多い「デュラムセモリナ粉」という小麦粉の種類もあります。全粒粉は風味豊かなパンに、デュラムセモリナ粉は、高級パスタ麺に使われる小麦粉として有名です。
「強力粉」「薄力粉」「中力粉」・・・の読み方は、「きょうりきこ」「はくりきこ」「ちゅうりきこ」です。「きょうりょくこ」「はくりょくこ」「ちゅうりょくこ」などと読み間違いのないようにお願いします。
料理をよくする人でも、強力粉、中力粉、薄力粉全てを常備されている方はあまり多くないかも知れません。パンを焼いたり、うどんを打ったりを家庭でしない限りは、薄力粉が小麦粉として常備されていることが多いように思います。もし思い立って何か新しい小麦粉を使った料理にチャレンジしたくなった時は、必ず強力粉、薄力粉、中力粉の違いをレシピでよく確かめて、買い間違いのないように気をつけくださいね!
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