2016/02/23
のぽさん
お正月の定番料理「お雑煮」は、関東と関西でその文化も違います。丸餅か、角餅か?焼くか、煮るか?とお餅1つとっても調理法に違いがあります。今回はしょうゆベースのすまし汁仕立ての関東のお雑煮にスポットをあてて、関東各地のお雑煮をご紹介します!
お雑煮は、元々大みそかの夜に、その土地でとれた海や山の幸を神に供え、そのおさがりを食べたことに始まります。
土地ごとにとれる海や山の幸を入れるわけですから、ご当地色が出て当たり前の食べ物と言えます。
関西といえば、丸もちを使った味噌仕立てのお雑煮。
もともと味噌を使ったお雑煮の方が歴史があり、京都で白味噌のお雑煮を食べていたことから、関西は味噌仕立てのお雑煮を食べる文化が残ったと言われています。
江戸時代、人口が集中する都では、作るのに手間がかかる丸餅では追い付かないため、切り餅を使うようになったと言われています。
関東のお雑煮は、武士の文化が色濃く反映されています。
例えば、すまし汁なのは「味噌をつける」ことを嫌ったからだと言われていますし、のし餅を切った角餅を使うのは、「敵をのす」という縁起担ぎもあるそうです。
また関東風のお雑煮の具材として、菜物(ほうれん草や小松菜など)と鶏肉の組み合わせがありますが、これは「菜+鶏」、つまり敵の首を取って名前を上げる「名取り」の意味合いも含んでいるそうです。
丸餅と角餅は日本のどこから変わるのか
関西風のお雑煮は丸餅、関東風のお雑煮は角餅を使いますが、その境界線は日本のどこからでしょうか?
一説には、関ヶ原の戦いが関係しているとも言われています。
実際に、この関ケ原を通るラインで東西にお餅が分かれているらしいです。
それでは関東風お雑煮のレシピを見ていきましょう。
関東風お雑煮の材料(2人分)
●だし汁 ・・・2カップ
●酒 ・・・大さじ2/3
●醤油 ・・・大さじ2/3
●塩 ・・・少々
●鶏肉 ・・・100g
●人参 ・・・30g
●大根 ・・・50g
●ほうれん草 ・・・80g
●三つ葉 ・・・適量
●角餅 ・・・4個
大根は5mmの半月切り、ニンジンは5mmの輪切りにし、柔らかくなるまで下茹でします。
ほうれん草は彩りよくさっと茹でたら、食べやすい大きさに切り分けておきます。
茹で上がった人参は、ひと手間かけて花型等の型抜きしておくと良いかも。
だし汁に調味料を入れて火にかけ、沸いてきたら鶏肉を入れ火を通します。
お餅を焼きます。オーブントースターだと簡単ですね。
お椀に、焼けたお餅と下茹でしておいた具材をバランスよく並べ、崩れないよう静かにだし汁を注ぎ入れます。
最後に三つ葉を散らして完成。
お正月バージョンでは、紅白かまぼこやなるとなどを添えてもいいですね。
関東風お雑煮あれこれ①:群馬県「つと豆腐」
群馬県の高崎の城下町の一部では、お雑煮に「つと豆腐」を入れます。
「つと豆腐」はお豆腐を巻きすで巻いて加熱したもので、お正月の三が日しか食べられないそうです。
関東風お雑煮あれこれ②:千葉県「青のり」
千葉の雑煮は青のりを入れる地域もあります。
房州産の海藻である「はば(波葉)」を入れる雑煮を「はば雑煮」と呼ぶそうです。
人目もはばからず食べたいなどと言われるようです。
関東では浅草のりも有名ですが、この「はば」は独特の風味があるそうです。
関東風お雑煮あれこれ③:栃木県「芋がら」
芋がらは里芋の茎を干したもので、「ずいき」と呼ぶ地域もあります。
昔ながらの伝統保存食で、お湯で戻し、煮物や炒め物などに使われます。
関東風お雑煮あれこれ④:茨城県「しいたけ」
茨城のお雑煮は、家庭ごとに具材が若干違うという関東風のスタンダードなもの。
関東風お雑煮あれこれ⑤:埼玉県「小松菜」
埼玉もあっさり味付けの関東風。生産量1位ということもあってか「小松菜」を入れたりもするそうです。
関東風お雑煮あれこれ⑥:神奈川県「柚子と海苔」
神奈川県のお雑煮は、関東風の醤油仕立てをベースに柚子の香りと海苔の風味が引き立ちます。
関東風お雑煮あれこれ⑦:東京都「関東風スタンダード」
ダシは昆布と鰹の合せダシ、味はさっぱり醤油味という関東風スタンダード。
関東一都六県、個性的な具材を使用している地域もあり、関東風とひとくくりにするにはバリエーションがいろいろありました。
関東だけでもこの種類の豊富さですから、日本全国にその対象を広げれば、毎日お雑煮でも飽きない具材選びができるかもしれませんね。
お正月料理と言わず、一年中手に入るお餅は消化も良いので、定番料理に格上げしてもいいかもしれません。
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