記事ID14521のサムネイル画像

妊婦がほうじ茶を飲んでいいの? 気になるカフェインの影響は?

ほうじ茶は茶葉を強火で炒って作られ、ほうじ茶独特の香ばしさが魅力。コーヒーなどに比べてカフェインが少ないことから、お子さんやお年寄りにも人気が高いお茶です。しかし、カフェインの摂取を控えたい妊婦にはあまりおすすめできません。大切なのは妊婦の適量を守ることです。

ほうじ茶はどうやって作るの?

ほうじ茶は緑茶の一種で、煎茶・番茶・茎葉などを原料に作られます。
原料である煎茶は日本人がよく飲んでいる代表的な緑茶で、新芽を摘んで蒸し、酵素を止め揉みながら乾燥して形状を整えます。
また番茶は、煎茶とほぼ同じように作られていますが、一番茶・二番茶を摘み取ったあとの硬化した茶葉(三番茶・四番茶)を使います。番茶は乾燥する際に強火で十分火入れを行うため、煎茶に比べてカフェインの含有量が少ないと言われています。

生の茶葉

煎茶・番茶・茎葉が原料のほうじ茶

ほうじ茶のカフェイン

ほうじ茶は煎茶・番茶・茎葉の原料を、強火で炒って製造します。茶葉を焙煎することによってほうじ茶独特の香ばしさが増し、熱処理することでタンニンなどの渋み成分やカフェインが抑えられます。そのため、ほうじ茶はよく小さな子どもやお年寄りにも安心して飲めると言われます。
しかし、ほうじ茶はカフェインが少ないからと言って妊婦にも安心できる飲み物とはあまり言えません。

ほうじ茶には、150ml(約1杯分)で30mgのカフェインが含まれています。
そのほかの飲み物のカフェイン含有量は以下のとおりです。
煎茶30mg
ウーロン茶30mg
麦茶0mg
紅茶45mg
コーヒー90mg
玉露240mg

意外にほうじ茶にはカフェインが含まれている

この比較により、コーヒーや紅茶よりはカフェインの含有量が少ないですが、意外にほうじ茶には煎茶やウーロン茶と同量のカフェインが含まれていることがわかります。
妊婦のためのノンカフェインの麦茶を除いて、お茶の中でも比較的カフェインが少ないと言われることが多いほうじ茶は、妊婦が飲んでも大丈夫だと思いがちですが、実際のカフェインの含有量から見ると、妊婦にとって注意しなくてはいけない飲み物です。

ほうじ茶にはカフェインが含まれているので妊婦は要注意

カフェインがもたらす妊婦への影響

そこで、ほうじ茶にも含まれるカフェインは妊婦の体にどんな影響を与えるのでしょう。
妊婦にはカルシウムの栄養が必要ですが、そのカルシウムを体外に尿と一緒に排出する量を増やしてしまうため、骨粗鬆症の危険が高まるとされています。さらに、カフェインは鉄分の吸収も阻害します。鉄分は、妊婦はもちろん女性が必要とする栄養であるため注意が必要です。

また、カフェインはお腹の赤ちゃんにも影響を及ぼします。というのも、カフェインは妊婦の体と赤ちゃんを結ぶ胎盤を通りやすいため、ママとほぼ同じ濃度になってしまうのです。
カフェインには眠気覚ましの効果があるように、お腹の赤ちゃんの中枢神経を覚醒・興奮させる作用があります。妊婦がカフェインを摂り過ぎると、赤ちゃんの発育を遅らせてしまう危険が高まると言われていますし、将来の健康に問題が出る可能性や近年妊婦で問題になっている低出生体重児も危惧されています。

妊婦の母体にカフェインが入ると赤ちゃんにも影響が

妊婦の大切な時期にカフェインは不要!?

妊婦はほうじ茶の飲み過ぎに気をつけて!

しかし、カフェインが含まれるからという理由だけで、妊婦はほうじ茶をまったく飲んではいけないということではありません。ほうじ茶の適度な量を守れば、かえって妊婦が心も体もリラックスできる一服の清涼剤になります。

妊婦の1日のカフェイン摂取量は、世界保健機構(WHO)で300mgまでとされていますが、北欧諸国や米国では200mgを推奨しています。つまり、ほうじ茶を1日1~2杯程度飲むだけなら妊婦もそれほど神経質にならなくて良いということです。

ほうじ茶も適量を守れば美味しい飲み物

ほうじ茶の成分が妊婦に与える良い効果も

また妊婦にとって、許容量のほうじ茶であれば安心して飲むことができるうえ、ほうじ茶が持つさまざまな栄養成分の効果を得ることができます。

ほうじ茶には妊婦にとって良い栄養成分が多い

リラックス効果

ほうじ茶の主な有効成分はテアニン・カテキン・ビタミン類。

まずテアニンにはリラックス効果があります。これは緑茶の中でも比較的カフェインが少なく、テアニンを適度に含むほうじ茶だからこそ得られる効能。特に脳がリラックスモードに入ると言われます。ほうじ茶を入れた時に広がる香ばしい香りにも、飲んだ時と同じようなリラックス効果を得ることができます。

妊婦がリラックスできる飲み物の一面も

カテキンのさまざまな効果

続いてカテキンにはさまざまな効果があり、口臭・虫歯予防、インフルエンザ予防、抗酸化パワーで若さの保持、高血圧、高血糖、動脈硬化の改善があります。

口臭予防効果は妊婦にも強い味方

妊婦にうれしいビタミン

ほうじ茶に含まれるビタミンCは熱にも強く、何とレモンの5倍ものビタミンCが含まれています。肌にハリと潤いが生まれる美容効果は、妊婦にはうれしい限りですね。
また、カテキンと同様の抗酸化パワーがガンや老化予防につながります。ただし、ビタミンの一日の吸収量には限りがあるので、ほうじ茶を毎日飲むのがおすすめ。

妊婦にはビタミンの摂取も必要

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ