牡蠣フライ派も生牡蠣派も色々な牡蠣の食べ方でもっと牡蠣を楽しもう
2016/06/08
hanjuku_h
牡蠣にはたくさんの栄養素がたっぷりと含まれていますので、老若男女問わず、皆さんに食べてもらいたい食材の一つでもあります。ですが牡蠣と言えば食中毒を連想する人も少なくはありません。ここでは牡蠣と食中毒について記載させて頂きます。
冬に旬を迎える食べ物の中に、牡蠣(真牡蠣)があります。冬の牡蠣は甘みがあり、牡蠣好きにはたまらないのではないでしょうか?もちろん牡蠣の美味しさも捨てがたいのですが、牡蠣を食べたら食中毒になった!とか、牡蠣で食中毒になると酷い事になる!と言われた事はありませんか?そうなんです、実は牡蠣には食中毒を起こしやすいと言われるウイルスが潜んでいる事があるのです。
牡蠣を食べた時に食中毒が発生した場合、疑わしいのがノロウイルスだと言われています。皆さんも一度ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?牡蠣が原因で起こる食中毒には、ノロウイルス以外にも腸炎ビブリオ菌や貝毒などが原因の時もあります。ただしこちらの腸内ビブリオ菌や貝毒は春から夏にかけてが多いため、牡蠣の旬の時期でもある冬場に牡蠣を食べて食中毒症状が発生した場合にはノロウイルスが最も疑わしいのです。
もちろん牡蠣に限らず二枚貝(ホタテ・アサリ・シジミ)のものはノロウイルスを持っている可能性があるのですが、牡蠣の場合は、「生で食べる」ことや「加熱不十分のまま食べる」事があるため、牡蠣で食中毒を起こす確率が高くなるとも言われています。
ではなぜ牡蠣にはノロウイルスが潜んでいる可能性があるのでしょうか?その理由として、牡蠣は栄養を摂取するために海水を取り込み、プランクトンを餌として食べます。実はその海水の中にノロウイルスが含まれていて、少しずつ牡蠣の体内に溜まっていってしまうのです。
もちろん牡蠣自体がノロウイルスを増やしている訳ではなくて、ノロウイルスに感染した人間が糞便をし、下水や生活排水から感染したノロウイルスが川や海に流れ、そして海に流れ着いたノロウイルスを牡蠣が海水と一緒に飲みこんでしまい、その結果として牡蠣の体内にノロウイルスが溜まってしまうのです。これは牡蠣に限らず二枚貝(ホタテやあさり)なども同様に同じことが言えます。
厚生労働省のノロウイルスに関するQ&Aでは、ノロウイルスの潜伏期間はおよそ24時間から48時間と記載されています。そのため、牡蠣を食べた直後に食中毒が発生するわけではなく、牡蠣を食べてから1~2日経過してから食中毒の症状が出ると言われています。では、その牡蠣を食べてから起こる食中毒の症状にはどのようなものがあるのでしょうか?
食中毒の主な症状として、まず突発的な激しい吐き気や嘔吐があります。そして、下痢や腹痛、38度前後の発熱、悪寒、嘔吐の数時間前から胃もたれを感じたりすることもあります。また、ノロウイルスに感染しても発症しない場合もあります。ですがその時にも、軽度の風邪のような症状が出る事もあるようです。
ノロウイルスに感染すると食中毒症状としてこれらの症状が1~2日続き、その後自然に回復していきます。通常は後遺症なども残りませんが、老人や乳幼児だったり免疫力が低下している状態だと症状が長引く事もあるので注意が必要です。また、今現在ではノロウイルスの効果のある抗ウイルス剤はないために、対処療法しかできないのも現状です。この場合の対処療法と言っても、吐いてばかりだと脱水症状になるので、脱水症状を防ぐためにも水分補給をしたり、栄養補給をしっかりと行うことになります。簡単に言うならば、水分補給・栄養補給をしっかりして自然治癒を目指すことになります。ですが、下痢が酷いからといって下痢止めなどを飲んでしまうと、ノロウイルスが体外に排出するのが遅れてしまうので、かえって症状が長引いてしまう事があるので注意して下さい。
食中毒を回避するためにも、しっかりと加熱することが大切です。なぜ加熱すると食中毒になりにくいのかと言うと、ノロウイルスは85℃以上の熱で90秒以上加熱する事によって、失活化(ウイルスの活性を失わせる)させる事ができるのです。そのため、牡蠣を食べる時にはしっかりと加熱して、食中毒を起こさないように注意する必要があります。もちろん、加熱用の牡蠣を生で食べるなどの無茶な事は絶対にやめましょうね。どうしても牡蠣を生で食べたい場合には、必ず生食用の牡蠣を食べる事をおすすめします。加熱用のものを生で食べると、食中毒を起こす可能性が非常に高くなります。
食中毒を回避するためのポイントを細かく言うと、食材の中心温度を85度以上で1分以上加熱することにあります。カキフライで言うならば、180度で最低5分は揚げて下さい。もちろん茹でる場合も、最低でも2分は茹でてから調理すると、食中毒を起こしにくいと言われています。
いかがでしたか?牡蠣は「海のミルク」とも言われるぐらい、栄養もたっぷりと含んでいますので、積極的に食べてほしい食材でもあるのですが、その反面、食中毒が怖い食材のひとつでもあります。もちろん同じように牡蠣を食べても、食中毒を起こす人と起こさない人とに分かれるようです。特に胃酸が強くてノロウイルスを体内で殺菌できるような人は、食中毒にはならないと言われています。簡単に言うならば、同じ牡蠣を同じように食べても、その人それぞれの体調などによって、食中毒を起こすかどうかも違ってきますし、もちろん食中毒の重症度も違ってくるのです。そのため、免疫力が低下気味にある人や妊婦さんは、生で食べることは避けた方が良い食材だとも言えるでしょう。美味しく牡蠣の栄養を摂取するためにも、牡蠣はなるべくしっかりと加熱してから食べるようにしたいものですね。
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