2016/06/16 更新
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【カフェオレ?カフェラテ?】「ミルクコーヒー」についてのあれこれ
ミルクとコーヒーは切っても切れない関係…世界各国で楽しまれている、コーヒーとミルクのおいしい相乗効果でできる飲み物についてまとめました。原料は同じでも作り方によってさまざまな魅力をみせる奥深いミルクコーヒーの世界を垣間見てみませんか?
世界60ヶ国以上で生産され、世界中で飲まれているコーヒー。また、ミルクは生乳として広がっている他にコンデンスミルクやバターと言った加工された形でどこへ行っても出会うことができます。
コーヒーのその香りと刺激は古くからいろんな俗説がついていて、オスマン帝国ではコーヒーにミルクを入れて飲むと病気になると言われていたそうです。しかし貿易でヨーロッパに広まった後、フランスではコーヒーには毒があるからミルクを入れて飲まなければならないという迷信があったためカフェラテが親しまれていったそうです。
日本でのコーヒーの歴史は世界のコーヒーの広がりからはずいぶん遅れており、明治に入ってからです。さらに大正時代にミルクの臭みをやわらげるための飲み物としてミルクコーヒーができあがりました。日本での最初のミルクコーヒーはミルクが主役だったようです。
各国でそれぞれの文化や気候に合わせて発展していったコーヒー文化。とくにミルクとの合わせ方は個性的で興味深いものばかりです。
日本でのミルクコーヒーはシンプルにコーヒーとミルクを混ぜたものをさすことが多いようです。日本ではコーヒー単品で頼んだときもミルクやコーヒーフレッシュがついてくるため、メニューとしてのミルクコーヒーの場合はミルクの割合がかなり多めになります。冷たいものと温かいものがあるのも日本独特の傾向です。
カフェオレはフランス語でミルクコーヒーの意味で、作り方や配合も日本のコーヒー牛乳に近いです。ドリップで淹れたコーヒーに温めたミルクを同量加えたものが一般的です。家庭でも広く飲まれるもので、とくにフランスの朝食では大きなボール一杯出されます。
エスプレッソマシーン
イタリア語でミルクコーヒーと言う意味のカフェラッテですが、ドリップコーヒーではなくエスプレッソを使います。エスプレッソはドリップコーヒーより濃いためミルクの分量もカフェオレよりも多く入ります。エスプレッソは専用の機械でいれるため、イタリアでは皆街中のカフェでカフェラッテを楽しむそうです。
イタリアのカフェラッテと紛らわしいですが、アメリカでカフェラテというとイタリアでのカプチーノにあたり、エスプレッソに蒸気で温めたスチームミルクを入れたものをさします。日本のスターバックスやタリーズコーヒーでのカフェラテもこのタイプです。
フランスの影響が食文化にも色濃く残るベトナムでは、フランスパンやバターケーキとともにコーヒー文化も根付いています。グラスに入れたコンデンスミルクの上から濃いコーヒーを淹れるベトナムコーヒーは、フランスと違いフレッシュなミルクが手に入りづらいベトナムならではの味わいです。
スイス独特なミルクコーヒーがカフェ・ルッツです。コーヒーと少量のミルク、最後に浮かべるホイップクリームは他の地域でも見かけますが、特徴はスイスの特産でもあるキルシュ(さくらんぼのお酒)が入ることです。冷たいものだとパフェのような見た目ですが大人のミルクコーヒーです。
シンガポールの甘いコーヒー、コピは一見普通のコーヒーに見えますが加糖している上に底にコンデンスミルクが入っているのがベーシックな形です。コピで使うコーヒーは焙煎の段階で砂糖やバターを加えていて、コクがありつつも苦みは少ない飲みやすいコーヒーです。
ミルク加工品を合わせれば、コーヒーが飲まれている地域ではその土地で愛されているミルクとコーヒーの組み合わせが必ずあるといっていいでしょう。寒い地域ではバターで体を温めたり、暑い地域は生乳ではなくコンデンスミルクをつかったりと、その飲み方は理にかなったものも多いです。
また、生乳とコーヒーでも割合や作り方はさまざまです。シンプルな同じ材料でこれほどバリエーションのある飲み物は珍しいのではないでしょうか。世界を旅した際はぜひその国のカフェに入ってみたいですね。