2016/05/28 更新
- 酒(693)
「マッサン」の余市のウイスキーについて改めて見直してみました
テレビドラマ「マッサン」のウイスキーと言ったら余市のニッカウヰスキーでしょう。そんな中、ニッカウヰスキーの看板ブランドのウイスキーの「余市」と「宮城城」の販売が2015年8月出荷分で販売を終えました。その後個性を研ぎ澄まし一新された「余市」が販売されました。
余市ニッカウヰスキー工場
ニッカウヰスキーはアサヒグループホールディングス(HD)の傘下の会社です。
創業者はテレビドラマでおなじみの「マッサン」こと、竹鶴政孝さんです。
竹鶴正孝さんの銅像
彼は北海道余市をウイスキーづくりの理想の地として選びました。
そんなところで生まれたのが、ウイスキーの「シングルモルト余市」でした。
シングルモルト余市は1989年に販売されました。ニッカウヰスキーの高級ブランドのシングルモルトウイスキーとして知られています。
シングルモルト余市は、創業者の竹鶴政孝氏がこだわった独特の香ばしさが特長のウイスキーで、ウイスキー愛好家の支持が高いウイスキーです。
シングルモルト余市はやわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香の調和がとれているウイスキーです。
力強いピートの味わいと香ばしさがあります。穏やかに持続するオークの甘さとスモーキーな余韻が特長のウイスキーです。
そして、シングルモルト余市は日本を代表するウイスキーとして世界的にも評価されています。
ニッカウヰスキーが製造するウイスキーブランドの「余市」と「宮城峡」の販売が、2015年8月出荷分で終了しました。
ウイスキーブランドの「余市」と「宮城峡」の出荷停止について、ニッカウヰスキーの親会社であるアサヒグループHDは「ウイスキーの製造に使う原酒が足りなくなったことが理由です」と話しています。
ニッカウヰスキーは、生産をピュアモルトウイスキーの「竹鶴」ブランドに集中していくことに決めました。
香り高く、飲みやすく、豊かな味わいのピュアモルトです。
でも、多くの人から長く愛されてきたウイスキーの「余市」が消えることは淋しいですね。
テイスティングノート(メーカー)
香り:やわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香の調和。穏やかで心地よいピート感。
味わい:オークの甘さとしっかりとしたピートの味わい。麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和。
余韻:温かなオークの甘さとスモーキーさがゆっくりと持続する。
のんびりとワンマン列車でJR余市駅に降り立てば、ホームに積み上げられた樽が出迎えてくれます。
ウイスキー貯蔵樽
駅舎を出ればすぐに目に入るほど近くに、ニッカウヰスキー余市蒸溜所があります。
ニッカウヰスキー余市蒸留所正門
余市蒸留所
広大な敷地内を無料で見て回ることができます。見学をしながら試飲ができ、ショッピングもできるので、多くの観光客が楽しんで見学していきます。
ニッカ会館前にあるポットスチル(単式蒸溜器)のオブジェ
単式蒸溜器(ポットスチル)
ウイスキー館
ニッカ会館2階では、ウイスキーの試飲ができます。各種1杯ご試飲いただけます。
ニッカ館
ウイスキー醸造には、程よくミネラルを含んだきれいな水、ゆっくりと熟成を促す寒冷な気候、樽を乾燥から守る適度な湿度など、さまざまな自然環境が整っていることが重要視されます。
その条件を満たしていたのが余市でした。
余市が蒸溜所の建設地に選ばれたのです。雪解け水をはじめとした清涼な水が豊富で、日差しを遮断した屋内ならば夏でも涼しく、海に面しているため適当な湿度があるのです。
更には、麦芽の乾燥に必要なピート(草炭)や燃料となる石炭は、近郊の石狩平野で産出されています。
北海道はウイスキーの原料となる大麦の産地であり、樽の材料となる木も豊富です。
竹鶴氏は、まさにウイスキー産地に打ってつけの土地を見つけたのです。
もう一つの理由として、町を囲む海と山、朝夕に立ち込めるモヤが、リタ夫人の故郷・スコットランドの風景に似ているからなのかもしれませんね。
モルトウイスキーの「余市モルトには潮の香りがする」という表現もよく聞かれます。石狩湾から吹く海風のフレーバーを樽が吸収し、熟成の長い歳月の間に原酒に溶け込んでいるのかもしれないですね。
余市のウイスキーについての記事はいかがでしたか?なぜ余市がウイスキーづくりに適しているのかお分かりいただけましたでしょうか?
残念なのは、シングルモルト「余市」の製造が終了したことです。
テレビドラマから人気が出たことは良かったのですが、そのことでシングルモルト「余市」が製造されなくなったことは残念ですね。
でも、2015年9月には新シングルモルト「余市」が販売されました。より研ぎ澄まされた味になりウイスキー党にはたまりません。