
酢って腐るの?知っておきたい酢の賞味期限と保管法に迫る!
酢はサラダから南蛮漬けまで基本の調味料。種類も豊富で幅広く使い分けをすることで料理の風味も深まります。殺菌や防腐にも利用され、保存食としてのイメージがありますが、賞味期限はあるのでしょうか?酢の賞味期限について、保管法も併せ徹底解剖してみましょう!
酢はフランス語のvin aigre (酸っぱいワイン)に由来していると言われます。時間をかけてワインが酢へと自然に変化していくのを待つ、という工程が起源です。
ワインの製造工程で酵母細菌が投入されることで発酵が起きますが、酢はワインの酸化と更なる発酵の産物と言えるでしょう。3〜5%の酸を含み殺菌力があり、ワインが未開封で12〜14度での保管であれば腐らないように、酢は基本的には腐りません。
日本で最も流通している米酢の製造法も基本は同じです。蒸した米に麹を投入することで酒ができ、そこに酢細菌を加え酢酸発酵を促します。熟成後ボトル詰めされ、店頭に並びます。どんなに保管状態が良くても酸化はしますので、賞味期限と保管法をよく理解しておくことは大切です。
日本大手の酢メーカー、Mitzukanさんのお客様相談センターのウェブページを確認してみました。
お酢はどうやって保管したらよいですか?
直射日光を避けて、冷暗所で保存してください。夏場など、気温が高い時期は冷蔵庫での保存をおすすめします。開封後はキャップを必ず閉めて立てて保存してください。
夏の暑い時期の酢の保管法は冷蔵庫が鮮度を保つキーのようです。また、開封後は必ず立てた状態を保つようにするということで、一度冷蔵庫の酢をチェックしてみましょう。
お酢の開封後はどれくらいもちますか?
賞味期限内であれば、穀物酢や米酢を冷暗所で保管された場合は、開栓後約半年以内、冷蔵庫であれば1年が目安です。純玄米黒酢や純リンゴ酢は、冷暗所で開封後約3ヶ月以内、冷蔵庫で半年以内が目安です。
酢の種類、または常温保管か冷蔵保管かの状態によってかなり賞味期限が異なります。各酢の製品説明をよく読み、賞味期限だけでなく保管法にもきちんと目を配っておくことが必要のようです。
黒酢の賞味期限はどのメーカーさんのも製造日から2年後となっており、これは日本の法律で定められているからです。しかし、黒酢は半年から3年の歳月をかけて熟成されるため、5〜10年寝かせ、まろやかな風味を楽しむ消費者もいます。開封後は冷蔵庫で保管し、賞味期限内に消費することが一番でしょう。
ぶどうの濃縮果汁を原料とし、長期樽熟成が特徴のバルサミコ酢。作り手によって、その熟成期間も異なりますが、生きているうちに自分の製造したバルサミコ酢の完成を待たずに他界してしまう、というエピソードもあるような世代を越えた美しい産物です。だからバルサミコ酢は高価なのです。
保管法は、直射日光を避けた冷暗所でOK。開封後の賞味期限は3〜4ヶ月が目安です。コルクキャップのものが一般ですので、必ず奥までしっかり閉めて酸化防止を心がけてください。フィニッシュや火を通さずに風味を楽しむ酢ですので、賞味期限内のご使用をおすすめします。
ポン酢や果実酢、もろみ酢は開封後は必ず要冷蔵しましょう。大変デリケートで酸化しやすいのには、酢以外の出汁や水が原材料に含まれることがあるからです。開封後は賞味期限内と言わず、できるだけ早く使い切ることが風味のためにも食品安全のためにも重要です。
家庭で梅干しを作る際にできる液体が梅酢。ガラスボトルに詰め替え、冷暗所または冷蔵庫での保存しましょう。賞味期限は1年を目安にしましょう。
これは空気中にある酢酸菌が混入して、セルロースという物質ができたためと考えられます。体への害はありませんが、品質が落ち、風味が損なわれる原因になります。
筆者の経験では、アップルサイダーヴィネガー、シャンペンヴィネガー、ホワイトワインヴィネガーによく起きる現象だと認知しています。どんな酢にでも起こり得ますので、こんな状態になった場合は、食酢としての旨味や風味に欠けるため、賞味期限前であっても食用への使用は避けましょう。
賞味期限が切れたからといって、酢を捨ててしまう前に使い道を考えてみましょう。酢の知られざるパワーとその多様性に驚くはずです。
お掃除への使用
酢には殺菌力があり、お掃除への利用に効果的です。賞味期限切れの酢と水を1:1で割り、スプレー容器に入れ、酢お掃除スプレーを作ります。まな板に吹き付ければ殺菌除菌効果にもなり、ステンレススチールの曇りも取り除いてくれる優れものです。汚れがひどい場合は、酢の比率を増やすか、直接酢のみの使用をおすすめします。
リンスとしての使用法
酢は食用だけでなく、髪のリンスとして使用することで女性には嬉しい効果がたくさんあります。この夏、頭皮トラブル知らずのサラサラの髪を手に入れるため、賞味期限切れの酢パワーを借りてみませんか?
酢はお花を長持ちさせる!?
酢の殺菌効果を利用して、切り花を長持ちさせることができます。賞味期限切れの酢を1、2滴花瓶の水に加えるると、細菌の繁殖を防ぎ、水を綺麗に保つことで、切り花の寿命が長くなります。部屋をパッと華やかに明るくしてくれるフラワーアレンジメント。使い道に困っていた賞味期限切れの酢にこんなにも素敵な使い道がったとは今日から試してみたいですね。
基本調味料、酢の賞味期限と保管法を徹底解剖してみましたがいかがでしたか?早速、パントリーや冷蔵庫をチェックして春のお掃除をしてみたいところです。正しく保管し、賞味期限へも目を配ることで、食用だけでなく毎日の生活に使える酢は一石二鳥です。