デートの前に要復習!フレンチのコースにおける基礎知識・マナー
2016/05/12
hanjuku_h
特別な日にお洒落にフレンチのコース料理なんて素敵ですよね♪でも、フレンチのコースって、マナーはどうすれば?料理の順番に意味があるの?実はフレンチのコース料理やマナーには全て、意味があるのです。知っていて損はない、フレンチのコース料理知識をご紹介いたします。
フレンチは、16世紀にフランス王国の宮廷料理として発達した献立の総称です。発祥はトスカーナ地方だとされています。その後、19世紀にフランス人のシェフがロシアで料理を提供する際、寒い場所でも冷めないように、と少しずつ料理を提供した事から、今のフレンチのコース料理の形態になったと言われています。
16世紀の日本と言えば、室町時代の後期で、織田信長が本能寺の変で倒れた後、豊臣秀吉の統一が行われたりと、所謂「戦国時代」の真っただ中と言えます。後に、フランス料理が日本に伝わったのは、19世紀〜20世紀、明治維新の頃だと言われています。フレンチのコース料理の確立時期とほぼ同じ様な時期に日本に伝わったと言えます。
そして日本での同時期の「食文化の確立」と言えば、懐石料理、そして寿司です。これら日本の代表と言える食文化は19世紀初めに現在の形に整えられたと言われています。
フレンチのコース料理は、出てくる順番が決まっています。 では料理の順番、そしてその意味を見てみましょう。
前菜はスープの前に出される料理です。前菜の前に『小前菜』(アミューズ/アミューズ・ブーシュ)を出される場合もあります。
②サラダ
「なぜ、このタイミングでサラダなの?」と思うかもしれませんが、血液のバランスを取るためサラダを出す場合があります。
サラダはレストランによって、魚料理や肉料理の後に出て来る場合もあります。無い場合もあります。必ずしもサラダがあるとは限りません。
スープからがフランス料理の本番と言われています。
スープの中で「ポタージュ」と書かれる場合は一般的にトロみのある透明でないものを指します。逆にスープはサラっとした透明なものを指します。広い意味ではスープ全般も指します。
スープと同じタイミングで出て来る場合が多いです。スープの後味を掃除する役割があります。食べ過ぎご注意です。
肉料理より前に魚料理を出されるのが一般的です。他にエビや蟹を使う場合もあります。
魚料理の後にお口直しの為に出てきます。一般的にはさっぱりとしたフルーツのシャーベットが多いです。
ソルベはフレンチのコース内容によって、出て来る順番が変わります。メインが魚料理(ポワソン)1品の場合、前菜の後にソルベが出てくる場合もあります。メインが2品の場合、魚料理(ポワソン)の後にソルベが出て来るのが一般的です。
フルコースのメイン料理です。
口に残った肉味を変えるため、チーズが出されます。コース内容によって、チーズが無く別料金の場合もあります。
チーズは二日酔いを緩和する働きがあると言われています。ここまでのコースで相当アルコールを取っている場合は、食べた方が良いでしょう。また、チーズを出す意味はテーブルを整理するためにもあります。
デザートより先にフルーツが出る場合もあります。フルーツのさっぱりした甘みからアイスやケーキの濃厚な甘みへの変化を楽しむためです。
プチフールとは、一口サイズのお菓子です。コーヒーや紅茶と共にプチフールを楽しみましょう。プチフールはフレンチのコース最後の一品となります。*コースによって無い場合もあります。
フレンチのコース料理の順番とその意味を解説いたしました。知っていると料理を出された折に困惑する事は無いですね。特に、サラダや甘い物の順番等は知っていると役立ちます。また、メインを食べた後のチーズの意味も納得です。フレンチのコース料理は奥が深いですね。
よく「フレンチレストラン」や「カジュアルフレンチ」等を耳にします。最近では「フランス料理」や「フランス料理店」と言うより「フレンチ」の方が馴染みがある程です。「フレンチ」と言う言葉は『フランス風の』と言う英語です。なので「フレンチレストラン」は『フランス風のレストラン』と解釈できます。イタリア料理や店等をイタリアンと言うのと同じです。余談ですが、ファッションのジャンルでアメカジ(アメリカ風カジュアル)があるように、最近ではフレカジ(フランス風カジュアル)と言った分類もあります。フレカジに関しては英語ではなく、日本の俗語だと言われています。
フレンチのマナーは難しいと感じてしまいがちです。ここからは、店に入る前から店を出るまでの、知っていて損はない重要なマナーのポイントをご紹介いたします。このマナーさえ知っていれば、フランス料理を楽しく頂く事ができますよ。
フレンチのコース料理は、出来る限り事前に予約をして行きましょう。お店もそれなりの準備をしてくれますし、サービスの向上にも繋がります。また、遅刻する際は電話連絡をしましょう。例えて言うならば、旅行の際、ホテルや旅館を予約するのと同じ感覚です。余程馴染みの店か、急を要してない限り、予約や連絡をした方が良いでしょう。
荷物やコートをウェイターに預けます。貴重品等は持っておきましょう。預けた荷物の番号札は必ずもらいましょう。(番号札がある場合)
ウェイターが席に案内してくれたら椅子を引いてくれます。引いてくれた椅子が最上席となり、主客または女性から座ります。
フレンチでは、レディーファーストが基本です。女性が座るまで、男性は椅子の左側に立って待ちましょう。また女性の場合、最低限の荷物を入れた小さいカバン等をお持ちかもしれませんが、椅子に引っ掛けたりするのはNGです。着席した椅子の背もたれと身体の隙間に落ちないよう挟むように置きます。テーブルの上に私物を乗せるのはやめましょう。
フレンチと言えばワインですね♪
予約時、既に決まっているコース料理の際は、飲み物だけのオーダーをします。もし、入店してからコース料理を選ぶ際は、料理の次にコース料理に応じたワインを選びましょう。どのワインが料理に合うのか解らない際は、ソムリエに聞きましょう。価格帯や味の好みを伝えると、すぐに素敵なワインを提示してくれます。聞く事はマナー違反でも恥ずかしい事でもありません!
テイスティングは、味の好みを確かめるのではなく、ワインからカビ臭やコルク臭がしないかを確かめる為です。ソムリエがいる店の場合は大抵大丈夫です。また「テイスティングは結構です」と省略しても構いません。
ナプキンは2つ折りで、輪となる部分を自分の方にして膝にかけるのが正しい置き方です。
ナプキンを膝に置くタイミングは、飲み物や料理をオーダーしてからで構いません。ただし、お皿の上にナプキンが立体的にセッティングされている場合は、メニューブックがナプキンに引っかかる恐れがあるので、オーダーする前に膝に置く事をおすすめします。
汚れを拭き取る際は、私物のハンカチではなく、テーブルに用意されているナプキンを使いましょう。
ナプキンは、膝や服が汚れるのを防ぐためではなく、手や口元についた脂やソースを拭き取るための物です。また、ナプキンで汚れを拭き取った痕は見えない様に、内側に折りましょう。途中で席を立つ際は、椅子に引っ掛けるのではなく、軽く畳んで席に置きます。
テーブルにセッティングされているカトラリー(ナイフやフォーク、スプーン類)は『外側』から使う!これさえ覚えていれば大丈夫です。ナイフは右手、フォークは左手が基本です。食事中の小休止の際は、ナイフの刃を必ず自分の方に向けて、フォークとナイフをハの字に置きます。「まだ途中なのでお皿をさげないでください」と言う合図になります。お皿が空になれば、ナイフとフォークは縦に平行に置きましょう。この際も、ナイフの刃は内側になるように置きましょう。もし、カトラリーを落としてしまったら自分で拾わず、ウェイターに任せましょう。
極力、フォークで頂きます。葉が大きい場合はナイフを使いましょう。
音を立てず、奥から手前に掬って頂きます。残りが少なくなってきたら、奥から持ち上げて前へスープをよせてスプーンで掬って飲みます。パンを浸すのは絶対にやめましょう!フレンチでは特に嫌われるマナーです。
☆余談:ややこしいのが英国式と言われるマナーです。英国式はフレンチと逆なのでご注意ください。フレンチは奥から手前、英国式は手前から奥、と覚えておくと便利です。
パンは一口サイズに手でちぎります。ちぎったパンは食べ切りましょう。バターを塗る際は必ずバターナイフを使ってください。パンを直接かじるのは絶対やめましょう。
魚や肉は、左側からナイフでその都度切って食べます。全て切ってからフォークを右手に持ち替えて食べるのはやめましょう。その都度、その都度、自分の口に入るサイズに切って食べます。また、写真の様な、骨付き肉や甲殻類がメイン料理の際、フィンガーボール(小さい器に水が入った物)が運ばれて来る場合があります。その際は『手を使って食べても良い料理』と言う意味で、汚れた指先をゆすぐ為に使います。ジャブジャブと洗うのはNGです。出来る限り、ナイフとフォークを使って食べましょう。
魚料理の際、このようなスプーンがあれば、是非使いましょう。
フィッシュスプーンは、ナイフと同様に右手に持ち、フォークで魚の身を押さえながら切って身とソースを一緒にすくって口に運びます。これで身の柔らかい魚も簡単に食べられます。
カトラリーは食べ終わったお皿にナイフとフォークを平行にそろえて並べましょう。ナイフの刃は自分の方に向けて置きます。そしてチーズ、デザート、コーヒー(紅茶)を満喫しましょう。お会計の際は、すっと手を挙げるか視線を合わす等をしてウェイターを呼びましょう。大概のフレンチでは、お会計の旨をウェイターに伝えなければレシートは持って来てくれません。席を立つ際、ナプキンはきちんとたたまず、くしゃくしゃにならない程度にたたんで、テーブルの上(デザート皿の右上)に置きましょう。
フレンチのコースについて色々とご紹介致しました。マナーを知っておくと、一層フレンチが楽しめると思います。ですが、あまりにマナーに気を取られてお料理を楽しめなくなるのは勿体ないです。やはり、思いやりの気持ちや、そのひとときを楽しむ『笑顔』が一番大切なマナーではないでしょうか。
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