2016/01/15
miyabi_kohaku
アイスには賞味期限がない?それはどうして、どんな理由で?冷凍庫に入れて保存すればいつまでも大丈夫なように思われるアイス。でも本当に賞味期限はないのでしょうか?アイスの分類に関する知識も混ぜつつ、アイスの賞味期限、適切な保存についてをご紹介します。
アイスの4つの分類
季節を問わず、スーパーでもコンビニでもドラッグストアでも、あるいは自動販売機でも、手軽にアイスが購入できますね。
夏の暑い日に食べるかき氷でも、冬にこたつでぬくぬくしながら食べるアイスも、美味しさに変わりはありません。
アイスメーカーも次々と新商品を発売し、私たちを楽しませてくれます。
ところで、アイスには種類があるのをご存知ですか?
アイスは、まず「アイスクリーム類」と「氷菓」の2つに分けられます。
これは、乳固形分が含まれているかいないかの違いです。
そしてアイスクリーム類には、さらに3つの分類があります。
乳成分の量による区分けです。
これは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格に関する省令」「食品、添加物等の規格基準」という2つの法律により決められています。
種別:アイスクリーム
乳固形分15.0%以上(うち乳脂肪分8.0%以上)のものを、アイスクリームと呼びます。
牛乳などの原材料を、空気を含むように冷やしながら撹拌してクリーム状にします。それを凍らせたものです。
栄養価が高く、コクやミルクの風味が味わえるアイスです。
ちなみに、乳固形分や乳脂肪分の割合が高いものを「プレミアムアイスクリーム」と呼んでいます。
種別:アイスミルク
乳固形分10.0%以上(うち乳脂肪分3.0%以上)のものを、アイスミルクと呼びます。
牛乳と同じくらいの乳成分を含みますが、中には植物油脂を使ったものもあります。
種別:ラクトアイス
乳固形分3.0%以上のものを、ラクトアイスと呼びます。
乳固形分が少なく、その代わりに植物油脂を多く含んでいます。
種別:氷菓
乳固形分3.0%未満のものを、氷菓と呼びます。
全く入っていないわけでもなく、ラクトアイスの乳固形分3.0%より少なければ、氷菓となるわけですね。
ところで、ソフトクリームはどの種別になると思いますか?
実は、ソフトクリームはどの種別にも属します。
というのも、ソフトクリームは工程上の一つの呼び方だからです。
アイスクリーム類は、原材料を混ぜ合わせた後、高速で撹拌しながら急速冷却して凍らせます。この作業を「フリージング」と呼びますが、通常はこのフリージングの後に容器に充填・包装して更に凍結させます。
ソフトクリームは、このフリージングされた直後の状態、いわゆる「出来立てのアイス」であるわけです。
これで、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスのどのソフトクリームも存在するということがお分かりいただけますね?
さて、ここでようやく本題。
アイスに賞味期限はあるでしょうか?
パッケージを見れば一目瞭然、どこにも賞味期限もついでに消費期限も書かれていません。
実は、アイスには賞味期限がないんです!
アイスは-18度以下で保存する限り、微生物は増殖しません。色や味など、品質の劣化も極めて小さいため、賞味期限は設定されていないのです。
厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」や農林水産省の「加工食品品質表示基準」の規定により、「アイスクリーム類にあっては、期限及びその保存方法を省略することができる」と定められています。
もちろん、上記の通り、きちんと厚生労働省、農林水産省の省令や規定によって、賞味期限や保存方法を省略しても良いことになっています。
これらのことを受けて業界団体が定め、消費者庁及び公正取引委員会で認定された「アイスクリーム類及び氷菓の表示に関する公正競争規約」では、賞味期限表示に代えて、一括表示の外側に、「ご家庭では-18℃以下で保存してください」、あるいは「要冷凍(-18℃以下保存)」などと記載して、アイスクリームを保存するときの注意をお願いしています。
賞味期限の表示義務はないけれど、アイスの業界団体では賞味期限表示に代えて
● 「要冷凍 ( -18℃ 以下保存 )」
● 「ご家庭では -18℃ 以下で保存して下さい」
と保存に関する情報を表示して、注意を促しているそうです。
未開封状態のアイスに賞味期限はないのが分かったところで、今度は開封してしまったアイスの賞味期限を見てみましょう。
開けてみたけど食べきれず残してしまったという経験はありませんか?
翌日にすぐ食べれば問題ないのでしょうが、うっかり忘れてしまったということは?
結論から言えば、開封してしまったアイスにも賞味期限はないそうです。
ただ、一度開封している以上、品質の劣化は否めません。
● 表面の色が変化した
● 食感がシャリシャリになってしまった
● なにか嫌な匂いがする
という風になってしまうこともあります。
美味しく食べれる期間=賞味期限であるならば、明らかに賞味期限は切れてる状態ですよね。
賞味期限はあくまでも、未開封で正しく保存されたアイスに限ってないのだと覚えておいた方がよいでしょう。
賞味期限はないけれど、1年も2年も前のアイスを見つけた時、果たして食べるかどうか。
アイスの保存は-18℃以下の冷凍保存で実現されるものです。
この状態であれば、数年前のアイスでも食べられるでしょう。
でも実際には、そういうわけにはいきませんね。
なぜなら、アイスを入れてから冷凍庫の開閉を全くしない、ということはありえないからです。
他の食材を出したり、またしまったりという動作を繰り返せば、冷凍庫内の温度は変化します。
また一度開封したアイスも、空気に触れた時点で乾燥し始めます。
一度溶けてまた凍った部分の口当たりもシャリシャリして滑らかさが失われています。
本来のアイスの味や舌触りが失われていれば、それは賞味期限切れと言ってもおかしくありません。
そうならないためにも、できるだけ正しくアイスを保存するようにしましょう。
美味しいアイスの賞味期限を守る保存方法
● 冷凍庫の温度を上げない工夫をする
● 匂いの強いものを一緒に入れない
● 乾燥対策
● 一度溶けたアイスは再凍結しない
冷凍庫の開閉を減らすとともに、食べかけのアイスを保存する場合は、平らにならしラップをするなどの乾燥対策をするようにしましょう。
そしてできるだけ、一度で食べきるようにしたいものです。
賞味期限がないからとたくさん買ってきて長期保存しても、最後の数個は味が変わっているかもしれません。食べられる分だけを買ってきて、なるべく早く食べるようにしましょう。
そうすればアイスの賞味期限ともいえる、本来の味をちゃんと楽しめるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
アイスに賞味期限がないこと、お分かりいただけたかと思います。
また一度開けたアイスでも、同じように賞味期限がないことも分かりました。
しかし、そうはいってもやはり、家庭用冷凍冷蔵庫では冷凍保存に限界があります。
-18℃を保つって意外と大変だと思いますよ?冷凍庫の使い方まで考えなければいけません。
それとも、アイスの美味しい期間=賞味期限を守るために、冷凍庫の使い方を勉強するというのもありでしょうか?
賞味期限がないからと安心せずに、風味や舌触りが変わらないうちに、ぜひアイスを食べるようにしましょう。
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