2016/01/25
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2016/04/01 更新
みんなが大好きな焼き菓子、おやつの定番となっているビスケットとクッキー、どちらも同じような原材料で出来ているイメージですが、日本ではどのように使い分けられているのでしょうか。ビスケットとクッキー、それぞれの歴史から見ていきましょう。
ビスケットは、イギリスから日本に伝わった焼き菓子の名称です。イギリスにおける「ビスケット」は、「小麦粉で作られたお菓子」を意味します。
ビスケットの語源は、ラテン語のビスコクトゥム・パネム(biscotum panem)。これがのちにフランス語のビスキュイ(biscuit)となったものです。「二度焼かれたパン」という意味を持ち、当初は保存食として作られた固いパンでした。おやつではなく、非常食のような意味合いが強かったようです。
クッキーは、アメリカから日本へ伝わってきた焼き菓子の名称です。アメリカにおける「クッキー」は、「サクっとした食感があるお菓子」を意味します。
クッキーの語源は、ケーキや焼き菓子を意味するオランダ語のクーク(koek)に由来します。これがアメリカに入り英語でクッキー(cookie)となったと言われています。
お菓子売り場を見れば分かるように、日本では、菓子により「ビスケット」と「クッキー」の名前が使われていますが、元々同じものをさし、明確な違いはないようです。
ただし、糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれているものを「クッキー」と呼んでもよいという大まかな決まりがあり、それにより、「ビスケット」と「クッキー」という名前を区別している傾向にあります。
日本では、ビスケットとクッキー両方の名前が使われていますが、実はこれは同じ意味。ただ、菓子業界では糖分や油分が多めの、手作り風のものを、クッキーと呼んでもよいという決まりがあり、区別して使われることもあります。
菓子メーカー「森永」のビスケットコラムです。
薄く焼き上げた生地に針穴があるのが特徴で、ハードな食感を楽しめます。
グルテンが少ない薄力小麦粉を使用します。サクサクとした優しい食感で、一般的には「ソフトビスケット」というよりは「クッキー」と言う名称で親しまれている焼き菓子にあたります。
そのほか、プレッツェルやクラッカー、パイ、乾パンなどもビスケットの仲間になります。それぞれ食感や形状が異なります。それぞれに合う、飲み物などを用意して楽しみましょう。
アメリカでは、サクサクとした食感のお菓子はすべて「クッキー」と呼ばれています。「ビスケット」は柔らかいパンのようなものを指します。
アメリカでもっともポピュラーなクッキーは、クッキー生地にチョコチップを散りばめた「チョコチップクッキー」です。家庭で手作りされることも多い定番の焼き菓子です。
イギリス独自の文化、アフタヌーンティは、‘夕方’にあたる時間帯に、紅茶と供にビスケットやスコーン、サンドイッチ等の軽食を頂く習慣です。元々貴族の文化として発祥し、おやつの時間、というよりは「社交の場」としての意味合いがあります。
もともとイギリスの貴族の社交として広まったアフタヌーンティー。
しきたりやマナーがたくさんあるものですが、現代人の私たちは気軽にいただくのもスマートです。
アフタヌーンティのマナーについてまとめてあります。
フランスでは、ビスケットの仲間に入る菓子に「サブレ」があります。サブレはビスケットに比べて小麦粉に対してバターやショートニングの量が多く、さくさくの食感があるものを指します。フランスにおける「サブレ」は、日本で言うクッキーにあたります。
ドイツには、小麦粉に香辛料やはちみつを加えて練り上げたクッキー生地を、様々な型で抜き、文様や文字を入れて焼き上げた菓子「レープクーヘン」があります。クッキーから派生した焼き菓子です。
グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」に出てくるお菓子の家は、レープクーヘンの生地で作られたものに、チョコレートやキャンディを飾りつけたものです。
ドイツのクリスマスに欠かせない焼き菓子「レープクーヘン」は、はちみつとスパイスたっぷり!
子供達の夢があふれる「お菓子の家(ヘクセンハウス)」を、ドイツ流にレープクーヘンで作るレシピです。
ドイツのクッキー、レープクーヘンで作るお菓子の家のレシピをご紹介しています。
日本においては、全国ビスケット協会により、「糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれているものを「クッキー」と呼んでもよい」とされてはいますが、「ビスケット」と「クッキー」に明確な使い分けに関する規定はありません。
一般的に、ソフトな食感で味や見た目的に手作り風なものを「クッキー」、それに比べてハードな食感で形状がかちっとしているものを「ビスケット」と呼ぶ傾向があります。名称にとらわれず、ビスケットもクッキーも好きなスタイルで楽しみましょう。
ビスケットの語源はラテン語で「2度焼かれたもの」の意味。
社団法人 全国ビスケット協会では、この語源と柴田方庵の史実を考えあわせ、
昭和55年に、毎年2月28日を「ビスケットの日」としました。
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