2017/08/09
kento08
ひじきと言えば、言わずと知れた鉄分の宝庫。その他にも食物繊維などの栄養素を含んでおり、女性にはありがたい食材のひとつでもあります。そんなひじきにヒ素が含まれていること、ご存知でしたか?ここではひじきとヒ素についてご説明させていただきます。
和食の食材の中でもひじきは鉄分を多く含んでおり、必須ミネラルや食物繊維も豊富なので、特に女性なら積極的に摂取したいところですよね。でも、そんな栄養豊富なひじきが、実は食べ過ぎると危険なことをご存知でしょうか?何も知らずにひじきを大量に食べていると恐ろしい結果が待ち受けています。
実はひじきは栄養豊富な反面、ヒ素を呼ばれる有毒な物質もたくさん含まれているのです。もちろんヒ素と言っても、ヒ素自体はひじきだけに関わらず、いろいろな食品にも少なからず含まれているのです。また、ひじき以外の全ての海草類にもヒ素は必ずと言っていいほど存在しています。しかし、それらは大抵の場合は有機ヒ素と呼ばれるものであり、有機ヒ素は身体に対する悪影響が無機ヒ素と比べると小さいとも言われています。その一方で、ひじきには有毒性である無機ヒ素が多く含まれており、長期的に摂取すればガンを発症する可能性があるとも報告されているのです。
女性の中でも、 とくにひじきの食べ過ぎに注意が必要なのは妊婦さんです。実はひじきに含まれている無機ヒ素は胎盤を容易に通り抜けることができるため、無機ヒ素は胎児にとっても有害であることがわかっているのです。
動物実験においても、母体が大量ににひじきを摂取することで、胎児に脳障害が起きたという事例も確認されているのです。この結果を見ても、妊婦さんはひじきを食べ過ぎない方が良さそうですね。
では、そんな有毒な無機ヒ素を含んでいるひじきを安全に食べるためには、どのようにすれば良いのでしょうか?ひじきに含まれている無機ヒ素も怖いのですが、ひじき自体に含まれている栄養素も魅力たっぷりですよね。ひじきを安全に食べるためには、ちょっとした工夫が必要なのです。
ひじきに含まれている無機ヒ素は、実は水に溶け出しやすい性質があるのです。そのため水洗い、水戻し、ゆでこぼしといった下処理をきっちりと行うことで無機ヒ素の摂取量を確実に減らすことができるのです。農林水産省の調査によると、乾燥ひじきをその重量の40倍にあたる20℃の水に30分間つけて放置していたところ、総ヒ素の50〜66%が溶け出していることがわかったのです。ひじきを茹でたり煮たりする場合には、まずは水につけて、その戻し水は絶対に使わないようにしたいものですね。
ひじきには無機ヒ素が含まれているとご説明しましたね。この無機ヒ素は有毒であるため、1日の摂取量を守る必要があります。世界保険機関(WHO)が規定している、一週間における無機ヒ素の摂取量は15μg/kgとなります。これを体重50キロの人に当てはめると、毎日乾燥ひじき4.7g以上、継続して食べない限り大丈夫という計算になります(乾燥ひじきを水戻ししてヒ素を減少させた場合での計算)。となると、毎日継続して食べ続けない限りは、ある程度は大丈夫そうですね。
少なからずとも体内に入ってくるヒ素を、体内にため込まないようにすることも大切ですよね。では、体内に入ってきたヒ素を排泄するにはどうすれば良いのでしょうか?ヒ素を排出するためには、セレニウム(セレン)などのミネラルが有効だと言われています。殺虫剤や薬品に含まれている人工的な無機ヒ素の中毒症状には、セレニウムを補給すると緩和されるそうです。セレニウムはウニやかつお、さわら、あじ、ほたて貝、ししゃも、わかさぎ、牛肉、小麦胚芽、玄米(糠部分)、ビールなどに含まれています。
また、腸内環境を整えることも大切です。有害物質が長く体内に蓄積されていると、必須ミネラルなどの栄養素の吸収が妨げられるとの報告もあります。そのため、ヒ素はなるべく早く体外へ排出することも大切です。常日頃から腸内環境を整えておくと良いですね。
ひじきには女性にとっては嬉しい効果が詰まっているのも事実です。食べる量を考えて上手に摂取して欲しい食材でもあります。ヒ素のことを考えすぎて、ひじきを全く食べないのももったいない気がします。摂取量やひじきの下処理さえしっかりと行えば、安全にひじきを食べることができるのです。健康のためにも、偏った食生活ではなく、いろんな食材を適度に食べるのが良いですね。
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