「フィリピン・バナナ」はどんな品種?バナナの種類をチェック!
スーパーで良く見かけるバナナ。ほとんどがフィリピンから輸入されている「フィリピン・バナナ」です。ところで、実は「フィリピン・バナナ」という品種はありません。それではどんな種類のバナナなのでしょうか?フィリピンで良く食べられるバナナもチェックしてみました!
日本に初めてバナナが輸入されたのは明治時代です。
当初は台湾から輸入していましたが、1963年の輸入自由化により、品質が不安定になりやすい台湾バナナに代わり、エクアドル産のバナナが主流になりました。
その後、フィリピン・ミンダナオ島に、日本向けの広大なプランテーションができたことにより、現在ではフィリピン産のバナナが輸入量の約9割を占めています。
ラカタン -Lakatan-
フィリピンで最も好まれているバナナです。
実の色がゴールドで味が濃く、後味が甘いのが特徴です。
ラトゥンダン -Latundan-
ラカタンと同じように好まれるバナナで、実は小ぶり、少し酸味があるのが特徴です。
セニョリータ -Senorita-
別名「モンキーバナナ」と呼ばれる、小ぶりのバナナです。
小さい分皮が薄く、一般的なバナナよりも酸味が感じられないので甘味が濃く感じられるのが特徴です。
その小ささから、子供のおやつにぴったりと人気があります。
モラード -Morade-
フィリピン原産とされる品種ですが、モラードはスペイン語で紫色を意味するとか。
別名「レッドバナナ」とも呼ばれます。
皮が赤茶色になる以外は、皮がやや厚めで、あっさりした甘さが特徴です。
ブグラン -Bungulan-
熟しても青いままのバナナですが、中身はちゃんと甘くなります。料理用として利用されることが多いそうです。
サバ -Saba-
調理用のサバは、ごつごつして太いのが特徴です。フィリピンでは、煮たり揚げたりと代表的なおやつに使用されています。
それでは、日本で目にする「フィリピン・バナナ」とは?
日本で食べられているバナナは、「ジャイアント・キャンベッシュ」という品種が主です。
ほぼフィリピンから輸入されてくるので、別名「フィリピンバナナ」と言われています。
つまりスーパーで見かける「フィリピン・バナナ」は、「ジャイアント・キャンベッシュ」という品種なんです。
ところで、輸入されるバナナはどのように日本にやってくると思いますか?
実は、「青いバナナ」としてやってくるんです。
これは植物防疫法という法律で、成熟したバナナの輸入が禁止されているからです。
黄色くなった成熟したバナナには、農作物に悪影響を及ぼしかねない害虫が寄生している可能性があるからです。
港で陸揚げされたフィリピン・バナナを含む「青いバナナ」は、青い状態のまま業者間で取引され、その後の輸送状況や、バナナを追熟させる加工技術の違いにより、以前はスーパーに並ぶバナナの品質には差がありました。
それをなくしたのが、「ドール」なんです。
ドールは、バナナ業界に「色売り」というアイデアを持ち込みました。
これは、青い状態のバナナを業者に売って追熟を任せるのではなく、その前に自分たちで追熟させて、黄色くなったバナナを直接スーパーに卸すというものでした。
そのために必要な追熟加工を行うシステムを作り上げ、あちこちの港に加工センターを設立しました。
そのお蔭で、どのスーパーでも黄色く熟したバナナがお手軽に買えるようになったわけですね。
豆知識 バナナのたたき売りって知ってる?
ドラマや映画などで、露天商の人がバナナを売っているシーンを見たことがあるのではないでしょうか?
バナナのたたき売りは、門司港であると言われています。台湾バナナの中堅港だった門司港では、当然大量のバナナが水揚げされていたわけですが、輸送途中で傷んだバナナや熟してしまったバナナなどが混ざっていると、いち早くお金に換えるために、門司港の桟橋通りで売りさばいたそうです。
そこから全国に広がっていたようです。
トロン -Turon-
調理用バナナのサバを使ったバナナの春巻きは、フィリピンでは名物のおやつです。
バナナの他にジャックフルーツやブラウンシュガー等が包んであり、甘酸っぱい味に食べた人のほとんどが絶賛するとか。
バナナフライ -Banana cue-
数あるバナナ料理の中で、もっともフィリピンでポピュラーなものです。
串に刺したバナナを油で揚げ、砂糖をたっぷりまぶしてまた揚げるというお手軽さ。
自宅でも簡単に作れますね。
マルヤ -Maruya-
バナナを花型や扇形に開き、衣をつけて揚げたものに砂糖をまぶして食べるお菓子です。
これもフィリピンでは人気のお菓子の1つです。
茹でバナナ
フィリピンでは朝食に食べたりする茹でバナナ。
日本で手に入るバナナを茹でると溶けてしまうそうですが、調理用のバナナではお芋のような味がするそうです。
フィリピン・バナナ、いかがでしたでしょうか。
フィリピン産のバナナだから「フィリピン・バナナ」と呼ばれているだけで、実際の品種は全然違いましたね。また日本で食べているバナナが、フィリピンの人がよく食べているバナナとは違うと言うのも驚きです。
しかも、生食するだけでなく、揚げたり茹でたり煮たりできるバナナもあるというから更にびっくり。
日本で手に入る「フィリピン・バナナ」は限界があるのですが、ぜひそういう食べ方も挑戦してみたいですよね。