記事ID18403のサムネイル画像

ワインに賞味期限はある?開封前と、開封後の違いを検証します!

ワインの賞味期限についてご存知ですか?ワイン愛好家の方でも、賞味期限なるものを考える前に飲み切ってしまえば知らなくて当然かもしれません。でもせっかくですから、この機会にワインの賞味期限について考えてみませんか?さらにワインが美味しく飲めるかもしれませんよ。

ワインには賞味期限がない?

実はワインボトルに賞味期限の表示はありません。
ということは、ワインには賞味期限がない、ということになります。

ワインに賞味期限が書かれていない理由は、そもそもワインは長期保存が可能なものだからです。
一般的に、適切に保存されているワインが腐ることはありません。

またワインの飲み頃は、数年~10年以上と幅があるため、賞味期限として表示することができないのです。

例えば、ボジョレヌーボーのような、その年に収穫されたブドウで作られるワインの賞味期限は、翌年の3月頃までと言われています。一方ワインセラーで何十年も置かれているワインであっても、まだ賞味期限のうちなのです。
このように、そのワインそのワインによって飲み頃が違うわけです。

賞味期限は、その商品が美味しく楽しめる期限ですから、飲み頃がまちまちのワインには、ひとくくりに賞味期限というものを設定することは難しいというわけですね。

賞味期限の一応の目安

いつ頃が飲み頃か分からないから賞味期限の表示がないと言いましたが、ワインメーカーでは一応の目安となる賞味期限があるようです。

白ワインの賞味期限は1~2年、赤ワインの賞味期限は2~3年以内、スパークリングワインは保存を目的としたものではないのでなるべく早いうちに開封しましょう、とのことです。

また一般的にお店に置いてある手頃なワインは、すでに飲み頃になっているものが多いそうです。

コルクとスクリューキャップの違い

ワインといえばコルク、コルクといえばワイン。
弾力性があるコルクは、気密性が高いのでワインの栓として最適なものです。
寝かせてワインを保存した時、ワインがコルクに浸透し、そのためコルクは湿気で膨張します。
膨張することで、より気密性が高くなることから、ワインの保管に適しているとされてきました。

そんなワインとコルクの関係が、最近見直されてきています。
天然コルクからスクリューキャップなどへ変えるワイナリーが急増しているそうです。

そもそもコルクはどのようにして作られているかというと、成長したコルク樫の樹皮を剥ぎ、高温蒸気で処理したのち、打ち抜いてコルク栓に加工します。コルク栓にならなかった部分も、粉砕・接着剤と合わせることで圧縮コルクになります。

天然であるがゆえに、生産量が減っていく懸念もあり、産地であるポルトガルなどでは厳しく規制されて、コルクの保護が義務付けられています。

コルクの生産量の減少、それによるコスト高ということも関係しているのか、最近ではスクリューキャップや、合成コルクなどが使用されたワインが増えてきています。

安くて高品質なワインを提供するために、原価コストはなるべく抑えたいのがワイナリーの本音ではないでしょうか。

コルクを使わなくなる理由はもう1つあります。
それはコルクの劣化によってワインが劣化してしまう「ブショネ」という現象が起こってしまうからです。

ブショネは、天然でできたコルクに存在する菌により、ボトル内で化学変化を起こしワインの品質を変えてしまうというものです。

フランスワインで5~8%、全世界のワインで3~7%がブショネであると言われています。

ブショネはちゃんと保存したワインでも発生してしまうものです。

このようなことも背景にあって、チリ、カルフォルニア、オーストラリアなどの国を中心に、コルク栓からスクリューキャップ、王冠キャップなどを使用するワイナリーが増え、結果ブショネ問題も減少してきています。

ワインの正しい保存の仕方

それでは、ワインを美味しく楽しむ期間=ワインの賞味期限を守るためには、どのように保管するとよいのでしょうか。

保存の温度

ワインを保存する場合にまず気を付けたいのは「温度」です。
12~15度で温度変化のない場所が最適です。

また夏の暑さ、冬の寒さのように、保管温度が激しく変化しないことも重要なポイントとなります。

湿度も重要

湿度が50%以下の乾燥した場所はコルクの劣化を招きます。
また逆に湿度が多すぎる場所は、ワインに直接の影響はなくても、ラベルなどにカビが生えたりします。

湿度は60~80%を目安に保存すると良いでしょう。
乾燥気味の場合は、霧吹きで湿気を与えてあげるのも良い方法です。

直射日光の当たらない場所

紫外線に当たってしまうとワインは劣化してしまいます。
またできれば室内の照明も避けたいところなので、例えば新聞紙でワインをくるんで保管するという方法もおすすめです。

開封したワインの賞味期限は?

さて、それでは開封してしまったワインの賞味期限はどのくらいでしょうか。

ワインを開けたけど、全部飲み切れず余ってしまったという話をよく聞きます。
その場合はどのように保存していますか?

ワインの一番の敵は、なんと腐敗ではなく酸化です。

ワインにはアルコールや、亜硫酸塩などの添加物が加えられていることが多いので腐りにくいのです。もちろん、開封前に比べればはるかに傷みやすくなります。

しかしそれよりも先に、空気に触れた瞬間からワインはどんどん酸化していきます。

一般的に開封してしまったワインの賞味期限は、赤ワインで5~7日、白いワインで1~2週間と言われています。スパークリングワインなどは炭酸が抜けてしまうので2日ぐらいで飲み切った方が良いでしょう。

開封ワインの賞味期限を守る保存方法

開封したワインは、酸化させないことが美味しさとしての賞味期限を守るポイントです。

そこでおすすめなのが「バキュームストッパー」という商品です。これはボトル内の空気を抜き取り、真空に近い状態を作り出してくれる大変便利な道具です。
ワイン初心者の方におすすめします。

そもそもボトルに対しての、空気よりワインの割合が大きければいいわけなので、小さめのボトルに移し替えるというのも有効です。ただし移し替える前に、きちんと消毒をしたものを使用するようにしましょう。

ワインの賞味期限のまとめ

ワインの賞味期限、いかがでしたでしょうか。
ワインには賞味期限はないけれど、しかし美味しい飲み頃を意識した賞味期限は存在します。

ワインは適切な温度・湿度でかつ日が当たらず、振動などのない静かな場所に保管することが、なにより賞味期限に影響するお酒であり、保存方法が適切でなければ、賞味期限の意味はありません。

基本的に開けたら早めに飲み切るのが一番ですが、そのために飲み過ぎて二日酔いなっても困りますね。
手間が掛かっても、酸化しないようにする工夫が必要になります。

開封前でも開封後でも、賞味期限、いわゆる酸化や腐敗が起こる前に、ワインは美味しく頂きたいものです。

関連する記事

この記事に関する記事

この記事に関するキーワード

キーワードから記事を探す

TOPへ