そうめんもひやむぎも喉越しつるつるで大好きです。食欲ない時にも!
2016/02/18
akiko28
2016/04/27 更新
夏の日差しが眩しくなると食べたくなる「ひやむぎ」や「そうめん」。冷水で冷やした「ひやむぎ」や「そうめん」を食べると気分爽快になりますよね。ところでその違いは太さだけだと思っていませんか?実はこの2つの麺の違いは意外に奥が深いんですよ。
夏でも冬でも美味しく食べられる麺類ですが、ひやむぎとそうめんの違いをご存知ですか?
単純に太さだけの違いだと判断してる人も多いと思います。
この2つに明確な違いがあるのか調べてみました。
手延べ干し麺以外の干し麺にあっては、「干し麺」と記載すること。但し、長径を1,7mm以上に成形したものにあっては「干しうどん」又は「うどん」と、長径を1,3mm以上1,7mm未満に成形したものにあっては「干し冷や麦」、「冷や麦」又は「細うどん」と、長径を1,3mm未満に成形したものにあっては「干し素麺」又は「素麺」と、幅が4,5mm以上厚さが2,0mm未満の帯状に成形したものにあっては「干しひら麺」、「ひら麺」、「きしめん」又は「ひもかわ」と記載することができる。
機械製においては、直径1.7mm以上のものは「うどん」、直径1.3~1.7mm未満のものを「ひやむぎ」、直径1.3mm未満のものを「そうめん」と呼ぶ、とJAS(日本農林)規格において決められています。
つまり、やはりそうめんとひやむぎの違いは「太さ」と言えるわけです。
手延べ干し麺にあっては、「手延べ干し麺」と記載すること。但し、長径が1,7mm以上の丸棒状に成形したものにあっては「手延べうどん」と、長径が1,7mm未満の丸棒状に成形したものにあっては「手延べ冷や麦」又は「手延べ素麺」と、幅が4,5mm以上厚さが2,0mm未満の帯状に成形したものにあっては「手延べひら麺」、「手延べきしめん」又は「手延べひもかわ」と記載することができる。
また、手延べであれば、直径が1.7mm未満のものは「ひやむぎ」でも「そうめん」でもどちらでも良いことになっています。
こうなってくると、ひやむぎとそうめんに明確な違いなんてないのではないか?と思ってしまいますよね。
ここでいきなりですが、そうめんの歴史を見ていきましょう。
そうめんの歴史は古く、奈良時代にまで遡ります。この頃中国より、麺に打ち粉をして手延べする「索餅(そうぴん)」が伝わりました。日本ではこれを「麦縄(むぎなわ)」と呼んでいました。
その後、鎌倉時代になると、さらに中国から新しい麺の製法技術が伝来します。
それは、麺の表面に油を塗って細く長く手延べするというものであり、これは「索麺(そうめん)」と呼ばれ、やがて「素麺」の漢字があてられるようになったそうです。
それではひやむぎはどのように誕生したのかというと、鎌倉から室町時代に、生地を棒で伸ばし、包丁で切る麺が伝わり、この麺は日本で「切り麦」と呼ばれるようになりました。
やがてこの切り麦の食べ方の違いから、さらに分かれていきました。
熱麦(あつむぎ)
ゆでた麺をせいろに持って食べる方法です。
これを熱麦(あつむぎ)と呼びました。
冷麦(ひやむぎ)
水で冷やして食べるのは、ご存知「冷麦(ひやむぎ)」です。
饂飩(うどん)
ちなみに、熱い湯(汁)に浮かせて食べる方法を、昔は「温飩(うんとん)」と呼びました。この漢字の「温」が「饂」に代わり、「饂飩(うどん)」に変化していったわけです。
ところで、お気づきでしょうか?
現在でいう「ざるうどん」「もりうどん」は、本来であれば「冷麦(ひやむぎ)」という名称が正しいはずです。
しかし、そうは呼びません。また「熱麦(あつむぎ)」と呼ばれる食べ方もありません。
つまり、古来の「熱麦(あつむぎ)」や「冷麦(ひやむぎ)」というものは、すべて「うどん」に集約されてしまったのです。
むしろこの時点では、「ひやむぎとそうめんの違い」というよりは、「うどんとそうめんの違い」になってしまってますよね。
ところが、ここで機械の登場です。
機械の導入により、簡単にうどんや素麺に似た麺ができるようになると、そうめんよりも太い麺を作ってそれを「ひやむぎ」と銘打って売り出す業者が出てきました。
業者の設定したひやむぎの分類が適当であったため、細めの「ひやむぎ」と太めの「そうめん」の違いが分からなくなり、区別しにくくなってしまいました。
どのようにJASが混乱を鎮めたかというと、ひやむぎとそうめんの違いを「太さ」で分類し規定したのです。
ただし、常に一定の太さの麺が作れる機械製のみで、太さが不揃いになってしまう手延べは明確な違いを打ち出せなかったようです。
それが現在のひやむぎとそうめんの違いされている、「太さ」というわけです。
ひやむぎと違い、実はそうめんには食べごろというものがあります。
生産されたばかりのそうめんは、そうめん蔵の中で梅雨を超すことで高温発酵されます。このことを「厄」と呼び、「厄」を越したそうめんは、茹でてもコシが強くのびにくい麺になります。
製造から2年目を迎えるそうめんを「古物(ひねもの)」、製造から3年目のそうめんを「大古物(おおひねもの)」と呼びます。
一般的に、製造から2~3年目のそうめんが一番の食べ頃だと言われ、製造されたばかりの麺と違い、コシも強くのびにくい麺になっています。
ひやむぎとそうめんの違い、いかがでしたでしょうか。
単純に太さの違いだけかと思っていたのですが、実は歴史や製造方法から違っていたわけですね。
また、機械化されたことで、もともとの違いが太さのみに集約されてしまったことにも驚きです。
似ているようで似ていないひやむぎとそうめん。2つの麺のその違いを、じっくり味わってみてください。
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