2016/04/10 更新
- フルーツ(2003)
大豆は大丈夫なのに、豆乳でアレルギー?その原因を探ります!
味噌や醤油、納豆などの大豆加工食品を食べてもなんともないのに、豆乳を飲んだらアレルギー症状が出たという人が増えているそうです。同じ大豆から出来ている食品なのに、どうして豆乳はアレルギーが出てしまうのでしょうか?その原因を探ってみました。
味噌や醤油、納豆、煮豆などの大豆加工食品を食べてもなんともないのに、豆乳を飲んだらアレルギー症状が出たという人がいます。
それはなぜかというと、味噌、醤油などの大豆加工食品に比べて、無調整豆乳や調整豆乳といった「豆乳」は加工の程度が低く、また液体であるために、大豆たんぱく質が吸収されやすいからです。
大豆たんぱく質の吸収率が約60~約80%である大豆加工食品に比べて、豆乳、豆乳飲料や大豆を主原料とする飲料の吸収率は約90%。
豆乳の場合、大豆たんぱく質がほとんど吸収されてしまうことを考えれば、大豆加工食品を食べて問題がなかったとしても、豆乳や豆乳飲料を飲んだらアレルギー症状が出たというのも不思議ではないわけです。
また、大豆加工食品を食べることで発症する大豆アレルギーとは別に、タイプの違う大豆アレルギーも増えてきています。
そもそも人間の体は、人体を構成するたんぱく質とは別のたんぱく質または糖たんぱくが体の中に入ってくると、異物と認識し、排除しようとする働きが起きて、抗体(IgE抗体)ができます。
このIgE抗体には1つのパターンが記憶されていて、そのパターンと同じものを持つたんぱく質が入ってくると、反応するようになっています。その際に過剰に免疫反応が起こってしまうがアレルギーです。
IgE抗体がもつパターンは、例え全然別の種類の食品であっても、含まれるたんぱく質に同じ由来のもの(パターンを含むもの)があれば認識しアレルギー反応を引き起こします。
このとき、2つ以上の食品や環境物質(花粉など)に、同じあるはほぼ同じのパターンが共通に含まれていることを、交差反応といいます。
もう1つの大豆アレルギーとは、この交差反応によって起きるものです。
「クラス1」通常の食物アレルギー
通常の食物アレルギーであれば、食物が消化管から吸収されてアレルギーが起きます。
これをクラス1食物アレルギー、または即時型アレルギーとも呼ばれます。
食物に含まれるたんぱく質は、消化酵素によってペプチドやアミノ酸に分化され腸管から吸収されるますが、一部のたんぱく質は消化されず、もしくは不完全消化により、大きなペプチドのまま吸収されてしまうことがあります。
吸収されたたんぱく質が異物と判断されることで、アレルギー反応が出るわけです。
「クラス2」口腔アレルギー症候群は特殊
これに対し、食物アレルギーの特殊型として、口腔アレルギー症候群があります。
原因となるものが口腔粘膜に触れることで発症(交差反応)し、その触れた周辺に痒みや浮腫などのアレルギー反応を引き起こすものです。
発症の初期には、症状は口腔内に限定しています。しかし何度も繰り返すと次第に全身にアレルギー反応が起きるようになるため注意が必要です。
「口腔アレルギー症候群」は成人女性の発症率が多く、中でもカバノキ科(ハンノキ、シラカバ)の花粉症の人の罹患率が40~50%と最も高いです。
カバノキ科の花粉は、大豆の食物アレルギーの原因と似ており、そのため豆乳を口にすると、唇が腫れたり喉の痒みといった症状が出てしまいます。
このように、豆乳を飲むとアレルギーを発症してしまうというのは、
● 豆乳や豆乳飲料そのものが大豆アレルギーを引き起こしやすい飲み物である
● カバノキ科植物による花粉症を発症していると、豆乳を飲むことで口腔アレルギー症候群を発症する
という理由があるからです。
シラカバ科の花粉症の人は、豆乳以外にも気を付けなければならない食べ物があります。
● 【フルーツ】リンゴ、キウイ、桃、メロン、サクランボ、マンゴー、グレープフルーツなど
● 【野 菜】セロリ、ニンジン、トマト、ジャガイモ
● 【ナッツ類】アーモンド、ピーナッツ、胡桃、ココナッツ、ヘーゼルナッツ
これらの食べ物は豆乳同様アレルギー症状が引き起こされるので注意が必要です。
豆乳のアレルギーについて、いかがでしたでしょうか。
大豆から作られている豆乳は、液体であるがために大豆アレルギーを発症しやすい飲み物と言えます。
また花粉症を発症している人は、豆乳を飲んだ後に喉の痒みやイガイガ感を覚えたら注意が必要です。
健康に良い成分、特に女性に嬉しい大豆イソフラボンが入っているということで、人気が高まっている「豆乳」。豆乳の年間生産量も格段に増えているようです。
しかし、いざ豆乳を飲む時は注意が必要ということですね。少しでも異変を感じた時は、豆乳を飲むことは控えるようにしましょう。