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うなぎの養殖って言うけど、完全養殖のうなぎとどう違うんですか?

うなぎの養殖は知っているけれど、完全養殖ってどういうことでしょう?養殖は養殖で完全とか不完全とかあるんですか?もっともなご質問ですよね。でもね、あったんですよ、うなぎの完全養殖というモノが!そのあたりをゆっくりとご説明させて頂きます。レッツ スタディー!

うなぎの養殖形態と飼育方法

うなぎの養殖では、主に1月下旬~3月上旬に海から河川に遡上してくるしらすうなぎ(体長約6cm、体重約0.2g)を採捕して種苗とし、池中で飼料を与えて200g前後の食用魚にまで養殖して出荷する。従来、この養殖は、露地の止水池で自然水温下で行われていたが、しらすうなぎを池に収容してから、餌付けを開始するまでの期間が長いために、その間のへい死率が高かった。また冬季は低水温でうなぎが摂餌しないため、食用魚の生産に1.5~2年間を要していた。

最近、しらすうなぎの不足から、しらすうなぎを加温施設内の流水池、半流水池、または循環濾過池に収容して採捕直後から餌付けを開始し、初夏に自然水温が20~25度になってから露地の止水池に移して養殖を続け、早いものは初秋までに食用魚にまで育てる方式が一般的になってきた。加温施設内で成長の遅いものは、そのまま夏期も施設内の池で養殖される場合もあり、また露地池に移したもので、初秋までに食用魚にまで育たなかったものは再び加温施設に移して、冬季にも養殖を続けるといった様々な方法が行われている。

うなぎの適地の選定

従来の養殖法では、うなぎの養殖期間の長い気候温暖な地域であることが適地選定の有力な条件であった。しかし最近では加温経費の経済性と養殖方式の変化から、水温の高い地下水が豊富に利用できる場所が第1条件となってきた。止水式、半流水式、流水式によるうなぎ養殖において、食用うなぎ1kgを生産するのに、24~193m3の水量が必要という。また種苗の入手が容易であるためにも、できるだけしらすうなぎが採捕自給できる地域が良い。

養殖のための飼育施設と設備

養殖施設の加温施設は室内上屋と池からなる。上屋は、鉄骨ビニール張りが一般的である。池水の加温方式は、3.3m2当たり2m位の割合で池底に2~2.5in(インチ)の亜鉛管を敷き、その中を45~80度の温水を流す間接加温方式が大部分である。上屋にある温水池と露地池を使用した、しらすうなぎから食用魚までの一貫生産において、両者の池面積の割合は静岡、三重、千葉の各県では、それぞれ4~6%と94~96%、高知、徳島、宮崎の各県では30~35%と65~70%で、地方により異なる。池の水深は40~70cmで、池壁は水面よりさらに50cm高くする。

池には動水機(水車)や池底からの送気装置を設け、上屋内には換気扇が必要となる。露地の止水池は長方形で、面積は1000~6000m2が標準である。水深は1m前後で、池壁はコンクリート製、ブロック製または玉石積みが一般的である。池底には、保水力があれば素堀でよい。いこい(憩)場(プール)、動水機も設置する。池のほかに、調餌用・出荷用諸施設と器具が必要なことは、他の養魚の場合と同様である。

うなぎの養殖法

しらすうなぎを購入する場合は、どこで採捕されたか、大きさが揃っているか、活力があるかなどを調べ、池へ放養する前に薬浴をする。加温施設内の元池へ放養する場合、元池の水温は15度前後に設定し、しらすうなぎを収容してから1昼夜に5度づつ上昇させ、最後に25~28度とする。餌づけは、夜間電灯をつけて、イトミミズを皿の上にのせて行う。2~3日たって餌をとるようになったならば、徐々に配合飼料か魚肉を混ぜ、7~10日後には完全にこれらの飼料に切り替える。この間給餌時間を徐々に明け方に移動させる。

給餌量は、配合飼料では体重の5~8%を、鮮魚では20~30%量で、これを1日に2~3回に分けて与える。元池に放養したしらすうなぎが成長して、池の収容力以上になると毎夜鼻上げするようになる。このようになったとき直ちに分養池に成長の良いものを移す。分養するには、前日の給餌を控え、当日餌に最初に集まってきたものが大型であるので、網でそれをすくって分養する。

6月頃になって、温水池と露地池の水温がほぼ等しくなったときに露地池に移す、また、露地池での養殖では、現在では配合飼料がほとんどの養魚場で使用されている。

うなぎの取り揚げと出荷

食用サイズに達したうなぎは間引いて取り揚げる。取り揚げ方法は、網差しと網引きの2通りがある。網差しは、餌に集まったウナギを4×4mほどの四角形の網で底からすくい上げる方法であり、網引きは地引き網を池全面にわたって引いて取り揚げる方法で、食用サイズに達したうなぎのほとんどを出荷するときに行う。取り揚げ時、食用サイズに達していない魚は再び池に戻して飼育を続ける。

取り揚げられた食用サイズのうなぎは、円形ビクまたは重ねかごの中で活けしめされてから、活魚または加工して出荷される。活魚輸送は、ビニール袋に10kgのうなぎと水と氷を入れて酸素を吹き込み、輪ゴムで封をして行われる。2袋20kgをカートン箱やプラスチック箱に詰めて輸送する。加工品は頭を取り、開いて白焼きの後冷凍したものや、加熱すれば蒲焼きになるよう味付け後真空パックされたものなどがある。

完全養殖ってなに?

完全養殖化は、これまで不可能だった。完全養殖化とは、卵から生まれて親に成長させたうなぎに卵を産ませ、これをふ化させて“赤ちゃんうなぎ”を得ること。2010年、完全養殖による方法で“赤ちゃんうなぎ”を得ることに、世界で初めて成功した。

天然のニホンウナギが海で産んだ卵が、世界で初めて発見され、うなぎを卵から効率良く育てる環境がわかった。ほとんど塩を使わずに養殖できる「好適環境水」でコストを下げ、うなぎの価格を下げる方法がわかった。ふ化したばかりのしらすうなぎがプランクトンの死骸をエサに育つことをつきとめられた。しかし、まだ時間が必要で、環境庁は、実用化には、2020年ごろまでかかると発表している。

まとめ

いかがでしたでしょうか?分かりにくいところもあったと思いますが、私も大好きなうなぎが食べられなくなるのは寂しいので、完全養殖に期待してしまうのですが、「完全養殖は生態系バランスへの悪影響を防げる」というご意見があるのも事実です。皆様は養殖についていかがお考えになるでしょう?

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