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長ネギもタマネギもネギのうち~ネギにもアレルギーってあるの!?

常備野菜として優秀なネギ類は、家庭での料理に出番が多い野菜の一つですね。血液をサラサラにして高血圧や高脂血症の予防に役立つなどお役立ちのイメージがある野菜ですが時にはアレルギーの原因となることがあるようです。今回はネギ類のアレルギーについてまとめてみました。

ネギの基本情報

ネギ族の仲間はいっぱい

ネギ属の野菜には長ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなどがあります。

長ネギは古来より味噌汁やそば、うどんなどの薬味として、また鍋料理の具材として広く使用されてきました。タマネギはマリネやタルタルソースの生食として、カレー、肉じゃがなどの煮込みといった多種多様な料理に使用されています。ニラ、ニンニク、ラッキョウはそれぞれの強い香りを活かした料理が楽しまれています。

近年は健康のために毎日の食事に取り入れる人も増えています。ネギ属の野菜には辛味や臭いの元となる硫化アリルという成分が含まれており、血液をサラサラにし、動脈硬化や脳卒中の予防効果が確認されているんです。

ネギ属には辛味と臭いの元となる硫化アリルという成分が含まれていることは前述のとおりですが、この硫化アリルはさらに細かく分類されています。

今回の記事ではネギ属の中でも同じ分類の硫化アリルが含まれているタマネギと長ネギに注目してご紹介します。

ネギアレルギーってなに?

身体に良いネギもアレルギー症状出現の可能性あり

タマネギや長ネギはアレルギーを起こしにくい食材といわれ消費者省が指定するアレルギー表示が必要な特定原材料にも指定されていません。それでもアレルギーが起きないわけではありません。

アレルギー原因その1..硫化アリル

犬にタマネギはNG

「犬にタマネギを食べさせてはいけない」という事をお聞きになったことがあるでしょうか?犬はネギに含まれている硫化アリルを消化する酵素を持っていない為中毒症状を起こしてしまうからなんです。

硫化アリルは生の状態のネギに含まれている成分です。人間には硫化アリルを分解する消化酵素があるので、中毒症状を起こすことは少ないですが、まれに消化酵素が少ないため上手に分解できずアレルギー反応を起こす方がいらっしゃるようです。また、大量の硫化アリルを摂取することにより、消化酵素の分泌が間に合わずアレルギー反応を起こすこともあるようです。

アレルギー原因その2.ジアリルジスルフィド(二硫化アリル)

ネギにはジアリルジスルフィドという成分も含まれています。この成分は熱に強く加熱調理しても失われません。硫化アリルと同様このジアリルジスルフィドについても人間は消化酵素を分泌できるので、通常は摂取に問題はありません。しかし、体調不良などによって消化酵素の分泌に異常が発生した場合にアレルギー反応を起こすことがあります。

ネギアレルギーの特徴

主な症状は嘔吐、腹痛、下痢

ネギアレルギーは他の食物アレルギーとは違い、口腔アレルギー症候群よりも消化器系への影響が大きいようです。

吐き気や嘔吐、腹痛や下痢など胃腸炎や食中毒と類似した症状を訴える傾向があります。もちろん口内や口回りの腫れやかゆみ、蕁麻疹などの皮膚症状発現することもあります。
その他にも頭痛や発熱、動悸、めまいなどが出ることもあり、最悪の場合、命にかかわるアナフィラキシーショックに至ることもあるので、決して軽視できるアレルギーではありません。

硫化アリルは気化しやすいので注意!

アレルギーの原因その1で取り上げた硫化アリルは気化しやすいという特徴があります。ネギを刻むだけで放出されるため、ネギを調理する近くにいるだけでもアレルギー症状がでる可能性があります。

ネギアレルギーの対処方法

まずは診断を受けましょう!

まずは本当にネギアレルギーなのかチェックすることが大切です。アレルギーの対処方法として簡単なのは原因食物を取り除くことですが、大切な栄養を取り入れられないのも大問題です。

病院へ行く際に、症状が出現する前に食べた食事をメモしておくと診断の助けになるので、食後にちょっとおかしいかな?と感じた時にはメモする習慣をつけるとよいですね。

検査でチェック

血液検査でアレルゲンの特定。また、成分を肌に貼って変化をみるパッチテストやアレルギー症状の発現量を確認する負荷テストなどを実施することもあります。

ネギとの接触を減らそう!

食物アレルギーの最も効果的な対策方法は極めて単純、その原因となる食品を食べない事ですが、ネギアレルギーはそうも言っていられません。何しろ作っている最中に気化した成分でもアレルギー反応が出るからです。

フードプロセッサーを活用

自分はアレルギーで食べられなくても家族のためにネギを調理をしなくてはいけないという女性にとってフードプロセッサーは救世主。密閉した状態で調理ができるのでオススメです。

アレルギーの原因物質の1つである硫化アリルは低温だと気化しにくいので、調理直前まで冷蔵庫で冷やすというのもアレルギー原因物質との接触を最小限にする対処方法です。また硫化アリルは加熱すると大部分の成分が失われるので電子レンジで加熱調理後に食材の切り分けをすることもアレルギー対策として有効です。

食事時間を楽しもう

家族と囲む食卓は幸せなひと時

ネギアレルギーがあったって、家族で食卓を囲む幸せなひと時失いたくないものですね。洋食では除去が難しいネギ類も、和食では比較的容易に除去ができます。工夫して食事を楽しみましょう!

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