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魚はとれたてだけじゃない!最近注目されている魚の熟成とは?

魚は取れたてで新鮮なものが一番おいしいと思っている方は多いです。もちろん好みとしてそれも間違いではありませんが、魚の熟成をご存知ですか?プロの間では以前から行われていましたが、ご家庭でもできる場合もあります。その魚の熟成について紹介したいと思います。

熟成の前に気を付けたい下処理

魚の活き締め

魚釣りを良くされる方もいらっしゃると思いますが、釣った魚はどうされていますか?殆どの方はそのまま氷にいれて氷締めにされていますが、これは魚にとっては地獄の苦しみを味わいながら徐々に死んでいくことです。

そうして暴れまわることで魚の筋肉内でのATPという旨味の元となるものが減ってしまいますし、傷がついたり内出血したりいいことは何もありません。少々面倒ですが、エラふたの中から首の骨を切り、しっぽの脊髄も切って流水で血を抜く活き締めをおすすめします。 

そうすることで魚は即死しますので暴れませんし、鮮度も保ったまま熟成段階へとすすめることができます。

魚の神経締め

こちらはあまり知られていない方法ですが、魚にこだわる方には知ってほしい手順です。上記の活き締めをしたあとに、脊髄の通る穴に細い針金を通し脊髄を破壊します。魚は首を落としても脊髄以下はまだ生きていて、脳の信号は送られませんが筋肉を動かしてしまいます。

これもまた美味しさには邪魔をするものでそれを防ぐために行う方法です。少しプロ向きの難しいテクニックがいりますが、針金の太さと慣れですので一度試してみてください!三日たっても魚の鮮度が違いますよ!

魚を熟成させるための正しい保存

どんなに上手に締めた魚でも保存を間違えると熟成どころか意味がありません。まず、頭を落とし内臓を抜き腹の中の血合いなどもきれいに取り除いてから熟成させることが重要です。

またそのままラップだけをして熟成というのもいけません。魚によって熟成方法は異なるのですが、水分の多い魚はキッチンペーパーなどでくるんでからラップなどをしないと、ドリップに浮いた状態になって臭みの元となります。冷蔵庫は0~1°Cのチルド室に入れて熟成しましょう!

魚の熟成に適した期間

熟成させる期間、これは非常に説明しにくいものです。好みもありますし、何より魚によってすべて熟成期間が変わってしまいますので、ここれは例で挙げさせていただきます。 

例えばタイの熟成。死んだ直後のタイは身が固くぷりぷりした食感で、旨味は少ないですが熟成は大体2日くらいがベストと言えます。きちんと熟成させるともっちりした食感で、お店で食べる例で挙げれば昆布締めの様になります。

次にはブリの熟成。ブリはタイより比較的熟成期間が長く、2.3日ではまだ身はしっかりしていることが多いです。熟成するときにキッチンペーパーをとりかえるなどしっかり気を付けていれば一週間はおいしく食べられますよ!

魚の熟成 プロの技! 

魚を焼く前に塩をふって臭みをとることは一般的ですが【酒塩】という言葉をご存知でしょうか?日本酒に塩を入れたものですが、キッチンペーパーにこれを含ませ、保存する際に魚に巻いておくと日本酒による臭み抜きだけではなく、塩により効果で適度な弾力も生みます。

特に身の柔らかい魚や青魚に適した方法で、焼き魚や煮物に使う前の臭み抜きにも非常に有効です。上記と合わせて知っておいてほしい熟成方法の一つです。

熟成させるとなぜおいしい?

熟成させる理由にはおいしさがありますが、具体的にはどういうことが起こっているのでしょう?先述したATPやADPとは魚が運動するときに使う筋肉を収縮させる材料です。これらを熟成により魚そのものの酵素によって分解し、イノシン酸などのアミノ酸にすることで旨味が増えるのです。つまり、死んだ直後の魚は熟成したものに比べて旨味が少なく、熟成させた方がおいしいということになりますね。

魚の熟成のまとめ

いかがでしたでしょうか?魚は取れたてだけじゃないことがよくお分かりいただけだと思います。もちろん、とれたての魚の食感は格別ですし、楽しみ方が違うという意味ですが、例えばイカはその代表です。

イカは熟成させた方がモチモチしていて身が白っぽくなり旨味は増えます。しかし、それが嫌いな方もいますし、とれたてのコリコリが好きな方もいますよね。熟成は食感ではなく旨味を上げる方法です。好みやシーンに合わせてみなさんも熟成を上手に使い分けましょう!

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