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小麦粉、薄力粉の違いは*小麦粉に含まれるたんぱく質の量&質

薄力粉はお料理やお菓子作りに日常的に使用されていますよね。パン、餃子の皮などを作る方は強力粉をよく利用されると思います。あらためて小麦粉の強力粉、中力粉、薄力粉などの違いなどを調べてみました。小麦粉、薄力粉の違いを利用して、お料理やお菓子などに使用しましょう。

『小麦』

小麦粉と薄力粉などの違いの前に簡単に『小麦』のこと

小麦は、イネ科コムギ属の植物です。遥か古代から栽培されて、人々に食べられています。米、とうもろこしと共に世界的に生産、消費されています。日本でも小麦の消費量が高く、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどから小麦を輸入しています。

小麦の粒のこと

小麦一粒のつくり

一粒の小麦

小麦の一粒には胚乳、表皮、胚芽とあり、胚乳が小麦粉になる部分です。

胚乳:小麦の糖質(でんぷん)、たんぱく質が含有。
表皮:「ふすま(ブラン)」となる部分で、鉄分、カルシウム、食物繊維を多く含有。
胚芽:栄養補助食品などに活用、脂質、たんぱく質、各種ミネラル、ビタミンが含有。

小麦の種類・違いで各種小麦粉に

小麦の粒度やたんぱく質の量などで違いがでる

小麦にはその粒の硬軟、含有たんぱく質と量などの違いにより、各種類があります。また、小麦はその違いや特性をだすように栽培されています。

小麦粉は、小麦を細かく砕いて挽いた小麦の粉です。

硬質小麦

粒は硬く、粗いです。たんぱく質の含有が多く、粘り、弾力性が高いです。パン、中華麺などに。
アメリカ、カナダ産など。

中間質小麦

粒は硬質と軟質の中位です。たんぱく質の含有は中位です、うどん、和菓子、お菓子などに。
国内産、オーストラリア産など。

軟質小麦

粒は軟かく、薄力粉にすると細かい。たんぱく質の含有は少量。天ぷら、お菓子、ケーキなどに。
アメリカ産など。

デュラム小麦

デュラム小麦

粒度は硬く、たんぱく質は多く、グルテンも豊富。黄色のセモリナ(小麦胚乳の粗粒)を利用。
マカロニ、パスタ用。カナダ産、アメリカ産など。

粒度の違い、打つ粉として適している強力粉

〖小麦粉の粒度による違い、打つ粉としての強力粉〗
硬質小麦は粒が大きく製粉しても粗い、軟質小麦は粒が軟らかく、薄力粉になると細いです。中間質小麦は硬質と軟質小麦の中位。薄力粉は柔らかくしっとり、強力粉はさらりとしています。

強力粉はお料理(パンやパイ生地など)の打ち粉として利用されます。薄力粉を打ち粉(生地をのばす場合)に使用することもありますが、生地や調理台などの扱いがよいのは、さらさらしている強力粉です。硬質小麦から粗くさらりとしたお粉、強力粉が打つ粉に適しています。

小麦粉の違い・特性~たんぱく質グルテン

小麦粉の違い~たんぱく質の量と質

小麦粉には、グリアジンとグルテニンというたんぱく質が同じ位の割合で含有され、水を入れ捏ねると、小麦粉のグリアジンとグリテニンが網目のような構造になります。グリアジンは粘性が有り、グリテニンは弾性が強く、双方の性質をあわせて小麦粉のたんぱく質グルテンができます。この小麦粉のグルテンができる特性や違いを利用していろいろな食品に使われています。

小麦粉のたんぱく質グルテンの質や量が多いものから、強力粉、中力粉、薄力粉とわかれます。

小麦粉 強力粉・中力粉・薄力粉などの違い

強力粉、中力粉、薄力粉などの違いはたんぱく質の質と量

小麦粉はその性質や違いから、強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、デュラムセモリナとあります。一般用もプロ用の小麦粉もその違いなどから様々な種類があります。

各種ある小麦粉、強力粉・中力粉・薄力粉などの違いなどから、お料理やお菓子などにあった利用をしましょう。

(下記の小麦粉たんぱく質含有量は目安です。)

『強力粉』 他の小麦粉との違い・性質

〖強力粉 他の小麦粉との違い〗
たんぱく質の含有量は10.5~13%、グルテンの量は多く、性質も強い。粒度は粗い。原料小麦は硬質小麦。パン、餃子の皮、ピザなど。

『中力粉』 他の小麦粉との違い・性質

〖中力粉 他の小麦粉との違い〗 
たんぱく質は含有量、7.5~10.5%。グルテン量と性質、中位。粒度は中程度。原料小麦は中間質小麦。うどん、お好み焼き、お菓子など幅広く利用できます。うどんに利用されるのでうどん粉とも。アメリカでは中力粉が主流だそうです。

『薄力粉』 他の小麦粉との違い・性質

〖薄力粉 他の小麦粉との違い〗
たんぱく質は含有量、6.5~9%、グルテンの量、少なく、性質は弱い、粒度は細かい。原材小麦は軟質小麦。天ぷら、お菓子など幅広く利用できます。

『全粒粉』 『デュラムセモリナ』

全粒粉は、小麦の粒をそのまま挽いたものが全粒粉、栄養(ミネラルなど)に富んでいます。

デュラムセモリナは、パスタ用の小麦粉、デュラム小麦を粗く挽いた小麦粉です。デュラム小麦は胚乳が黄色で、小麦粉になると粉の色が薄黄色です。

小麦粉(薄力粉など)の栄養

必須アミノ酸リジン不足、小麦グルテンのアレルギー

小麦粉(薄力粉など)は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル類などを含んでいますが、必須アミノ酸のリジンが少ないので、お肉、お魚、乳製品、豆類などと組み合わせることが必要でしょう。

また、小麦グルテンに対して、食物アレルギーの方などは注意が必要です。

薄力粉のカロリーは110g(1カップ)で405kcalのカロリー。薄力粉は100g換算で368kcalのカロリーで、80kcalあたりのグラム目安量は21.74g。炭水化物が多く83.49g、たんぱく質が8.8g、脂質が1.87gとなっており、ビタミン・ミネラルではモリブデンとセレンの成分が高い。

出典:http://calorie.slism.jp

小麦粉(薄力粉など)の違い~生地など

小麦粉(薄力粉など)の違い~『ドウ、ペースト、バッター&ルー』

小麦粉生地の種類には、ドウ、ペースト、バッターの3種類がある。

出典:https://sites.google.com

小麦粉は加熱や水などを加えることにより様々に姿をかえ、お料理のレパートリーを幅広く豊かにしてくれます。

〖ドウ〗小麦粉1:水0.5~0.6の割合で捏ねた生地です。麺の生地、パン生地など
〖ペースト〗小麦粉と水の割合が1:1でドウとバッターの中間。ドーナツの生地など。
〖バッター〗小麦粉1:水1~2の割合。スポンジケーキの生地、天ぷらの衣など。

〖ルー〗フライパンなどで小麦粉とバターで炒めると「ルー」になり、カレーのルーやその他いろいろなお料理に応用ができます。

違いや特性で形を変える薄力粉、中力粉、強力粉

〖小麦粉生地に影響をあたえる材料〗
食塩:生地の粘りや貼りを引き締めます。グルテンの形成を抑えたいお菓子類では無塩バターがおすすめです。

砂糖:砂糖の保水性のため生地の水分を吸収、グルテンの形成を抑えます。そのためにグルテンの粘りなどが低くなり、仕上がりがもろい感じになります。

油脂:油脂は水分に溶けにくいため小麦粉と水分が混ざることを妨げ、グルテンができるのを抑えます。

卵:卵黄に乳化作用があるので、材料が均等に混ざりやすくなります。

薄力粉などの特性、違いを活かして

小麦粉や薄力粉を使用する場合は、ふるいにかけると、お料理やお菓子の仕上がりが良くおいしくなります。

天ぷらに薄力粉を使用する場合は、冷水を使います。あまり混ぜないようにして、天ぷらの場合はグルテンがあまり出来ないように軽くあわせましょう。

強力粉などでうどんやパンを作る際は、たくさん練りましょう。小麦粉の粘性がよくでてきて、うどんはコシが強く、パンはふっくらとします。

小麦粉の保存方法など

強力粉、中力粉、薄力粉などの保存

小麦粉は、においと湿度に注意をして保管してください。小麦粉はにおいに弱く、においのある物のそばでは保管しないでください。また、湿度にも注意が必要で、保管する際は冷暗所に保管してください。虫などが入る場合もあるため、保存のときは密封(密封容器、缶など)をお願いします。

賞味期限は、強力粉が約6カ月、薄力粉、中力粉が約1年のです。開封後はなるべく早いうちの使用をお願いします。

まとめ

小麦粉、強力粉・中力粉・薄力粉の違い

強力粉(たんぱく質の割合が高、グルテンの質も強、粒度は粗い)、パン、餃子の皮など 
中力粉(たんぱく質の割合が中、グルテンの質も中、粒度は中)、うどんなど 
薄力粉(たんぱく質の割合が少、グルテンの質も弱、粒度は細かい)、天ぷら、お菓子など 
小麦粉の強力粉・中力粉・薄力粉の違いはたんぱく質と量と質、粒度から区別されます。

小麦粉の強力粉、中力粉、薄力粉の違いや性質を活かし、お料理やお菓子などに適した小麦粉を使用しましょう。

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